木村拓哉のCMが凄いのは、商品と一体化し、自らの細胞を消費者に気づかれないように変えらているからだ。NikonのCMがわかりやすい。フルサイズでは剛健、入門一眼レフでは冒険心、デジカメでは家庭的と、そのカメラに合わせて眼光と眼差しを変えてきた。カメラに表情を与え、生きもののように躍動させる。 物に生命力を与えられる数少ない俳優。だから木村拓哉がCMする商品は爆発的な売上を記録した。木村拓哉は「技術」で演技をせず「技能」で演技をする。技術は自分のために使い、技能は誰かのために使う。 『グランメゾン・パリ』の料理人・尾花夏樹が操る高村刃物の包丁も自分のためではなく他者のために腕を振るう。鋭利な美し…