プロレタリアートの階級的自覚と要求に基づき、その思想と感情を描き出した文学。 日本では、1921年の「種蒔く人」の創刊を出発とし、のち「文芸戦線」「戦旗」などにより、1934年弾圧で壊滅するまで続いた。
戦後復活したが、大衆文化・流行文学の主流から外れて衰退した。
プロレタリア文学とは プロレタリア文学とは、主に労働者階級(プロレタリアート)の視点から社会問題や不平等を描いた文学のことを指します。この文学は、20世紀初頭から1930年代にかけて、社会主義や共産主義思想の影響を受けて発展しました。 特徴 1. 労働者階級の視点 プロレタリア文学の労働者階級の視点は、この文学ジャンルの核心であり、社会的・政治的なメッセージを伝えるための重要な要素です。 労働者階級の視点の特徴 現実の描写プロレタリア文学は、労働者階級の生活や労働環境をリアルに描写します。資本主義社会における搾取や不平等を鋭く批判し、労働者の苦境を読者に訴えます。 労働者の主体性労働者は単なる…
軍閥支配の進む昭和初期のことです。 北洋オホーツクで蟹を獲り缶詰に加工する工場船「博光丸」では、貧しい労働者たちが働いていました。 不衛生な環境、 長時間労働を強制する監督淺川(あさかわ)。 過酷な環境に耐えきれず、 やがて労働者たちは一致団結し、ストライキを起こすのですが…。 「資本と労働」の普遍的テーマを描いたプロレタリア文学の代表作が漫画化されました! 労働者側の立場で、自分たちの人権を自分たちの手でつかもうとするお話です。 現在でいうところの労働組合の考え方の原点を知ることができるような気がしました。 ■思想の違いはあるもの ■知ってはいたものの手を付けづらかった ■映画を見て感じるこ…
導入 プロレタリア文学は、労働者階級の視点から社会の現実を描く文学の一派です。産業革命以降、労働者の生活環境や社会的地位の変化が文学にも大きな影響を与えました。プロレタリア文学は、これらの変化を反映し、労働者の声を代弁することを目的としています。 プロレタリア文学の定義と特徴 プロレタリア文学の歴史 主要なプロレタリア作家と代表作 プロレタリア文学の社会的影響 プロレタリア文学の技法と表現方法 プロレタリア文学と他の文学運動との比較 現代におけるプロレタリア文学の位置付け プロレタリア文学の未来と展望 これらのトピックを通じて、プロレタリア文学の深層に迫り、その魅力と社会的意義を明らかにしてい…
まんがで読破 蟹工船 小林多喜二 プロレタリア文学の代表作・蟹工船を漫画で読みました。 プロレタリア文学とは…1920年ー1930年代前半に流行した、労働者の過酷な現実を書いたもの 漫画なら読みやすいわーと思って読んだけど、逆にそうじゃなかった。 劇画風の絵とか、北〇のけんに出てきそうな悪役とか、血しぶきとか、私の苦手な感じの漫画で、なかなか読み進めることができなかったっていう。 あ、でも虐げられているのはよく伝わりましたよ これノンフィクションだと思ってたけど、フィクションなんだね。 モデルになった船はあるらしいから、実話には近いのでしょう。 この漫画で読破シリーズで名作を読もうと思っていた…
『太陽のない街』徳永直岩波文庫1950年8月5日 第1刷発行2018年7月18日 改版第1刷発行 *作品は、1928年~1929年にかけて書かれた。 プロレタリア文学代表作の一つ。小林多喜二の蟹工船と同じ頃に書かれた作品。先日、日本近代史の勉強をしていた時に、本書が言及されていて、読んだことが無いと思ったので、図書館で借りてみた。 感想。正直、辛い・・・。読んでいて辛くなる。小林多喜二の『蟹工船』もそうだけれど、本当にこういう時代があったのかと思うと、辛くなってくる。人の愚かさに、悲しくなってくる。この延長に、日本赤軍事件、あさま山荘事件があるのだとおもうと、ほんとに、どんより暗くなる・・・。…
アメリカのSF作家ケン・リュウなどの活躍によって、中国SFは一挙に紹介された。そして、近年に一斉に開花した中国のSFは終焉を迎えている。2022年の年初の予想である。 どうして、そうなるかを説明しよう。 もちろん、わが国でも昨年に劉慈欣の『三体』の邦訳が完結したばかりであり、各界の話題をさらったばかりでもある。 2006年に中国で発表され、2015年にヒューゴ賞長編部門で受賞した。この部門で海外SFの初受賞である。快挙だった。 劉慈欣だけでなく、王晋康、韓松(1965-)、陳浩基(1975-)、郝景芳(1984ー)、夏笳(1984ー)など多くの作家が育っているおり、層の厚さでも欧米圏のSFに匹…
『蟹工船』のような世界はもう無くなってほしい “自分らしい働き方”を勝ち獲る労働者たちの闘争小林多喜二が昭和初期に発表したプロレタリア文学の最高峰『蟹工船』が2009年、映画化されました。長引く不況により、労働環境が激変していた2000年代後半、原作小説は若者を中心に多くの人々の支持と共感を集め、2008年末には流行語大賞候補になるほどの一大ブームとなりました。そんな若者たちに向け、『アンラッキー・モンキー』の奇才SABU監督が映画化した本作は、大胆な解釈で現代的にアレンジされたSABU流『蟹工船』となっています。 *************** 【ストーリー】 舞台は洋上で操行中の蟹工船・博…
これからジョージ・オーウェルを読もうとするときに、『一九八四年』でも『動物農場』でもなく本書から入る人はそれほど多くはないと思うが、私はそういう出会い方をした。ある雑誌の中で、ラッパー、ECDが紹介していたのを見つけたのである。 紹介、という言葉は正確ではないかもしれない。事実、そのエッセイ「ボヘミアン・ラプソディ」には、この表紙の写真が添えられているばかりで、たったの一言の言及もなかったのだから。 最後の著作となったエッセイ『他人の始まり 因果の終わり』に回想めいたものが書かれてはいないかと期待したものの、当然ながらそんなものはなかった。だが、ネタバレと呼ぶに十分すぎるほどの告白がなされてい…
時代の祝福 川端康成 篝火(かがりび)を見て古めかしい抒情詩を歌うようなことは、私達文学者の間では時代後れであるばかりではなく、時代の良心に背くものとされています。 篝火を見るよりも鵜(う)を見よであります。 けなげに早瀬へ潜って鮎(あゆ)を捕える鵜は、自分の獲物が咽(のど)を通らないように首を絞められている。そして飼主に口の中の魚を搾(しぼ)り出される。だから何十匹の鮎を捕えても彼は飢えている。 これは今日の多くの生産者の姿そっくりである。これは今日流行の鵜飼の見方である。 ——しかし諸君は自分が鵜であることに十分満足していらっしゃる。諸君の顔がどうやら鵜に見えて参りました。 人間はすべて鵜…