自分がまだ小学校から中学生だった頃の話だ。普段ほとんど読書をしない父親が新聞配達のお兄ちゃんにロッキード事件に関する本は何かないかと頼んでいたのを覚えている。当時、それほど関心の高い事件だったのだろう。 // 自分はといえば、それからだいぶ経った大学4年生の時だったか、学部創設者の吉村正先生の偲ぶ会が憲政会館で行われた(と思う)のだが、その偲ぶ会に参加した時に、本書の登場人物の田中角栄と中曽根康弘が揃って送る言葉を話しているのを聞いたのが今でも記憶に残っている。 ロッキード事件とはなんだったのか? 田中角栄の話しっぷりは例の何を言っているのか分からない話し方だった。中曽根康弘は逆に明朗で聞き取…