「各宗派の総本山のトップにいる偉いお坊さん達は、 当然みんな〝悟って〟いるんですよね」 と、ネホリ~ナ、ハホリ~ナ、で老師に訊いてみた。 「昭和の初めには大悟した大僧正がいたけれど、 それ以降、総本山の中にはひとりもいないなあ」 と老師はおっしゃった。 どうしてそう言い切れるのか、というエピソードは、 とても長くなるので割愛するが、今では僧侶の間でも、 〝悟り〟について云々することはご法度なのだという。 禅寺なんかで、座禅をしている僧侶の肩を、 警策でバシンッ、と打つシーンをテレビで見たりするが、 あれもテレビ用にパフォーマンスでやっているという。 そして、座禅もまた、自己の真相を悟るためのも…