「失敗した……」と落ち込んだ日の帰り道、ふと自問しました。 「でも、本当にこれは“失敗”だったのだろうか?」 私は老人ホームで介護士として働いています。日々、入居者様のケアをしながら、スタッフ同士で連携を取り合い、小さなことから大きなことまで、たくさんの判断をしています。 しかし、どれだけ丁寧に行動しても「完璧」と言い切れる瞬間は少なく、時には「失敗」と感じることもあります。 たとえば、ある日、入居者様の居室に届ける薬の時間を数分遅れてしまいました。 その方にすぐ謝罪し、薬を手渡すと、優しく「気にしなくていいのよ」と言ってくださいました。 でも私はその後もしばらく自分を責めてしまいました。「数…