イラク戦争の最中、米軍の爆撃により運命を変えられたふたりの子ども。偶然にもアリという同じ名前を持ち、同じ病院で治療を受けたふたりの子どもの惨劇を通して、イラク戦争が罪のない一般のイラク人にもたらした辛い現実を描いたドキュメンタリー。 バグダッドに近いザファラニヤに住むアリ・アバス君。ある早朝、アメリカ軍の爆撃により家は全壊、一家はバグダッドの病院に運ばれたがアリ・アバスくん以外は全員亡くなった。遺体は人間ではなく肉の断片でしかなかったという。アリ・アバスくんも体に大火傷を負い、両腕切断という大手術を受けた。しかしバグダッドが包囲され薬品が不足して治療もできない病院で、術後の感染死が心配される。…