近代日本の歴史を紐解くとき、私たちはしばしば陸海軍の軍部や、大蔵省をはじめとする経済官庁に目を奪われがちだ。しかし、明治の夜明けから太平洋戦争の敗戦に至るまで、国民の日常を最も深く支配し、国家の骨格を形作り続けた絶対的な存在があった。それこそが、かつて「省庁の中の省庁」と恐れられ、君臨した巨大組織、内務省である。内務省研究会編による『内務省 近代日本に君臨した巨大官庁』は、地方行政、警察、土木、衛生、そして社会政策や宗教行政までをも一手に担ったこの組織の誕生から解体、さらには戦後日本への遺産に至るまでを、緻密な通史と多角的なテーマで検証した画期的な一冊である。本書は単なる過去の権力組織の盛衰記…