剣客商売

池波正太郎（1923-1990）の『剣客商売』が一般人に対してイメージを変えた功績の一つは田沼意次のイメージだと思う。我々は小さい頃から田沼意次は賄賂政治家、松平定信は寛政の改革を行った清廉潔白な政治家というように習っていると思う。しかし、『剣客商売』の田沼像は秋山小兵衛・大治郎親子の庇護者で、武芸者を愛し、大所高所から物事を見る、懐の大きな老中として描かれる。*1実際の意次も重農主義から重商主義へ日本社会が変わる中で貨幣経済を熟知した政策を行った政治家だったと考えるべきである。 学術的に田沼像を大きく修正したのは大石慎三郎（1923-2004）*2の『田沼意次の時代』（岩波書店、1991）で…

藤田まこと版の『剣客商売』は第4シリーズでようやく秋山大治郎（山口馬木也）と三冬（寺島しのぶ）が結婚する。そして、二人の夫婦生活が始まるシリーズなのだが、「勝負」は清々しい話である。あらすじは以下の通りである。 剣客商売（2003年） 第9回 2003年4月22日(火)放送 第９話 勝負 - フジテレビ 簡単に言うと、本話の主人公谷鎌之助（田中実）が笠間藩剣術指南役になるために大治郎と試合をすることになるのだが、剣術だけで生きてきた冷や飯喰いの谷家の三男でいつも苦労してきた鎌之助の妻お久（中島ひろ子）が昔、田沼家の屋敷で奉公していた三冬を訪ね、大治郎に勝ちを譲って欲しいと頼む。そして、同じくお…

第29問 およやんさんより ｢鉄鼠の檻｣の殺しの見立て およやんは京極夏彦の小説が好きです。その中でも｢鉄鼠の檻（箱根山連続僧侶殺人事件）｣がお気に入りです。箱根の山中のお寺で僧侶たちが禅の公案（禅問答）に見立てられて殺されていきます（見立てにしたのは犯人ではないのですが） ｢鉄鼠の檻｣で殺しの見立てに採用されていないのはどれでしょうか？ 南泉斬猫(なんせんざんびょう) 迦葉刹竿(かしょうせっかん) 麻三斤(まさんぎん) 第30問 モモタロウさんより 時代劇小説の中のセリフ セリフ｢泥棒がいるんだよ此処には、泥棒が｣がある小説はどれでしょう？ 鬼平犯科帳 剣客商売 雨あがる 締切りは29日の2…

第29問 ｢鉄鼠の檻｣の殺しの見立てに採用されないもの 南泉斬猫(なんせんざんびょう) 迦葉刹竿(かしょうせっかん) 麻三斤(まさんぎん) 第30問 小説の中のセリフ｢泥棒がいるんだよ」は？ 鬼平犯科帳 剣客商売 雨あがる 回答を済ませたらギドラのお城に戻って知らせて下さい

剣客商売一 剣客商売（新潮文庫） 作者:池波 正太郎 新潮社 Amazon 剣客というものは、好むと好まざるとにかかわらず、勝ち残り生き残るたびに、人のうらみを背負わねばならぬ。 女武芸者 ねぎの味噌汁、大根の漬物。 「ある人の両腕をへし折ってほしい。誰かは言えない。」謎依頼。五十両。庶民が５年暮らせる。 落雁。 40も下の若い女にご執心の小兵衛。オエー。 剣術一筋の息子、大治郎（24）。 御用聞、町奉行所の手先。 下ネタ大好きなじいさんだな、おい。 田沼意次の隠し子。 泰平の世は、必要なのは剣術ではなく世渡り術。 豆腐の吸い物、甘鯛の味噌煮。 剣の誓約 タニシの味噌汁。うーむ。 二千回の素振…

今さらこの足に、草鞋が履けるとも思わぬけれども。 テレビ時代劇『鬼平犯科帳』のどの回だったかに、兇賊の手にかかった被害者の墓前に参る場面があった。事件はつい先だってのことで、墓はまだ真新しい素木の一本柱だった。墓柱背面の墨書に、たしか「寛政二年」とあった。松平定信主導による「寛政の改革」が始まろうとする時代である。 ちなみに同じ池波正太郎ワールド『剣客商売』では、田沼意次が権勢を振るっているところを観ると、舞台はひとつ前の時代だ。おそらく秋山小兵衛は長谷川平蔵より二十年ほど前の人だ。地震や火山噴火をはじめ天変地異が重なり、飢饉の年が続いた。打ちこわしや百姓一揆も頻発した。田沼意次は庶民に倹約を…

剣客商売の舞台 池波正太郎 真崎稲荷 を境内に抱く 石浜神社 1300年の歴史 忘れられた日本 この動画を見つけたあなたは強運の持ち主 - YouTube 石浜神社陸と陸をつなぐ舟の渡し場・橋場の渡しであり 戦場 にもなり 古城 も築かれていた 隅田川 の要所。江戸時代には景勝地として栄えたとか。当時の絵にも残されています。狐占いのような伝説を残す祠や富士塚、観音様など…。時代劇小説では境内社となっている真崎稲荷のそばに住んでいた剣客の話・池波正太郎の「剣客商売」の舞台ともなったところ。今は食事処も建てられた現代風の境内ですが、やはりそこかしこに昔の遺物が残っています。そして、すかっとさわやか…