厚労省が仕掛けた「高額療養費制度の改定」は、野党・メディア・患者団体らからの厳しい批判にさらされて頓挫した。いかにも拙速だったと思うし「カネがないと命も守れない」との印象を与えたのはまずかった。 しかし問題は、なぜこのような一見して非難されそうな政策を打ち出したかにある。総理の答弁にあったように「世界に冠たる国民皆保険制度を守る」目的だったことは確かだ。高齢化が進み、医療技術が進歩し、まだ今のところは平均寿命が延びている。このままでは現役世代により大きな負担がかかるし、団塊世代が後期高齢者になり、氷河期世代が引退し始めるころになると、制度の維持が難しい公算は高い。 京都仁和寺の御室桜 一方で、…