2017年11月、秋の色づきが深まる広島城を訪れました。現在の天守は復元ですが、石垣や堀の構造、城域の広さからはかつて「西国随一」と称された広島城の面影をしっかりと感じ取れます。その歴史は、戦国期の覇権争い、江戸幕府の大名統制、近代軍都の成立、そして原爆被災と復興まで、まさに日本史の大きな流れを一挙に凝縮した舞台ともいえます。 ■ 毛利輝元様の壮大な築城計画 広島城の築城は天正17年(1589年)頃、毛利輝元様が中国地方の支配体制を再構築するため開始されました。輝元様は毛利氏の本拠・吉田郡山城の山城では政治・軍事において不便と判断し、太田川の三角州に広がる平地へと本拠を移す大胆な決断をされます…