~ 追憶 あざみ ~ あれから院長さんは、 たぶん 自分の手が空く度に、 わたしのところへきてくれるようになった。 そして毎回わたしの中に入れ、 そして毎回出していく……。 院長さんは、わたしに気を遣ってくれているのだ。 わたしは、 そう解釈した。 院長さんが入れてくれていないとき、 わたしは強い恐怖に押しつぶされそうなのを、 為す術なく、 唯々耐えるしかなかった。 耐えきれず、 いっそ自ら命を絶ちたいと、 何度も思った。 残念ながらというか、 幸いというか、 今のわたしに唯一出来そうな、 舌を噛む、 という行為は、 全ての歯が折れていることに加え、 顎に全く力が入らないという現状が、 赦して…