四月末の夕景は油断の匂いがする。町は「黄金週間」の幕開けに浮かれ、スーパーに陳列されたバーベキュー用の肉塊は、私の財布同様ぺしゃんこにされる運命を待つ。かつて私は「連休は家族サービスの義務だ」と意気込み、学習計画表をリビングに貼った。朝六時起床、算数→理科→読書→家族団らん。計画表には私の悪筆で「余裕、楽勝」と赤字。しかし最終日、息子と私は未完の計画を前に黙祷し、私は紙を丸めゴミ箱へシュート——外した。以来「GWに予定を立てる親は、別名“計画の墓掘り人”」と自嘲している。だが今年も私は墓地にスコップを携え立っている。性懲りもない、とは私のためにある言葉らしい。 1 連休は“成績の地滑り”が起こ…