等伯 下 (文春文庫 あ 32-5) 文藝春秋 Amazon 【18/06/23】 上下で約800ページ。読むのが遅い私は、下巻だけで10日もかかってしまった。これは力作だ。下巻では、狩野派の総帥・永徳との対決とその死、先妻や師と仰ぐ利休の死、そして息子の久蔵の死などをくぐり抜け、遂に天下一の絵師と謳われるようになるまでを描く。カバーに書かれているため、誰が亡くなってしまうのかがわかっていても、惹きつけて止まないものがあった。画業とは、かくも壮絶で業の深いものであるのか。前巻同様、海外事情や政権内部での確執、支えとなった宗教・思想のあり方にまで筆が及び、その取材力に圧倒される。 【24/12/…