東京都荒川区南千住に所在する円通寺は、由緒ある曹洞宗の寺院です。その静かな境内には、悲しい出来事を記憶する吉展(よしのぶ)地蔵が、訪れる人々の心を深く捉えます。この地蔵尊は、痛ましい事件の記憶とともに、円通寺の豊かな歴史を伝える存在と言えるでしょう。 古刹・円通寺の歴史 - 坂上田村麻呂が開いたと伝わる寺 円通寺は、伝承によれば791年(延暦10年)に坂上田村麻呂によって開かれたとされています。山号を補陀山と称し、本尊は聖観音菩薩です。この聖観音菩薩は、聖徳太子の一刀三礼による御作とも伝えられています。 境内には、八幡太郎義家が奥羽征伐の際に討ち取った賊の首を埋めたとされる四十八首塚があり、こ…