中島孤島と田山花袋がほんの一時期隣人同士であった場所は、小石川区小日向水道町九十二番地(現在の文京区小日向二丁目付近)であった。 この住所について調べてみると、実は歴代何人もの著名人が関係していることがわかった。 孤島と花袋がここに住んでいた時代、敷地の所有者は、中勘助の家族であった。 ※中勘助・・1885(明治18)年生まれの小説家、詩人、随筆家。代表作に『銀の匙』がある。 中勘助の父親は、1889(明治22)年勘助が4歳のときにこの地に新築の家を建て、家族を住まわせた。そして、敷地内の数軒の家を貸家として経営していたようだ。つまり、中島孤島、田山花袋が明治36年頃に借りていた小日向水道町九…