「グォーン」と、エンジン音が響く。 ボンネットを開けると、そこには 長年共に走り続けた愛車のエンジンが鎮座していた。 無数の傷跡が、共に過ごした年月を物語っている。 「さよなら、相棒。」 僕は呟き、エンジンに手をやる。 この手で磨いた無数の部品、この手で交換したオイル。 思い出が走馬灯のように駆け巡る。 この車は、僕にとって単なる移動手段ではなかった。 大学受験のときには、遠方の予備校まで送迎してくれた。 卒業旅行では、仲間たちとの思い出を刻んだ。 社会人になってからは、仕事で全国各地を駆け巡った。 僕の愛車は、老朽化が進んでおり、 安全面での不安も大きくなっていた。 「新しい道を開くためには…