※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- ストーリーは、人間の感情や情動を理解し、意味づけるための重要な枠組みを提供します。サービン(Sarbin, 1989a, 1989b)は、心理学者たちが情動を「内発的かつ自動的な身体反応」として理解してきた傾向に警鐘を鳴らしました。彼は、情動が本質的に社会的・対人的な現象であると捉え、物語的構造のなかで意味づけられるものとして再考を促しています。 サービンが紹介する事例は、こうした視点をよく表…