百人一首第95番目の歌の作者は前大僧正慈円さきのだいそうじょうじえん(慈円)です。 生涯で4度、天台宗の座主となった人です。 今回は前大僧正慈円について紹介します。 前大僧正慈円とは 生年1155年、没年1225年。 関白藤原忠通の六男で、1192年に天台宗の座主となっています。 藤原定家らとも交流があり、後鳥羽院の歌壇で歌人としても活躍していました。 兄は九条兼実で、政界の中心にいた人物。 百人一首に収められている歌は、京の街に武士が攻め込んできたり、疫病が流行ったりしたことを悲しんで歌われたもの。 慈円は公武の対立よりも調和を望んでいたらしく、後鳥羽院の挙兵には反対していたとも伝えられてい…