周年イベントのDMが届いていたので、しばらく顔を出せていなかったコーヒーショップへ豆を買いに行った。 いつもコーヒー豆の調達は夫の担当なので、わたしは紅茶の係なのだけどね。 「あ、エメさん!お久しぶりっす」 「シロくんも。元気にしてた?」 「エメさんの顔見れたんで絶好調っす」 「かわいいこと言うじゃんー」 アラサーのバリスタ、シロくんは、塩顔の、おそらく若い女子に人気のモデルだか俳優だかに似ている好青年で(ちょっとチャラいんだけど)、彼目当てのお客さんも多いんじゃないかな。 彼がこの店で働き始めて間もない頃、練習中のカプチーノの試飲をオーナーに頼まれたのが縁で仲良くなった。 「なんかまた”愛人…