終わらないイタチごっこと、私が「それでも」片付け続ける理由 朝、出かける前にちゃんと閉めた。 確かに閉めたはずの収納扉が、また開いている。 「えっ?また?」 誰かが開けてそのままにしたのだろう。 でも、そこにいた家族は当然のような顔をしている。 誰も悪びれた様子もない。 ついさっき洗ったばかりのコップも、気づけば飲みかけの状態でテーブルに放置されている。 「片付けたんじゃなかったっけ?」 そう思って手を止めると、胸の奥からじわじわと怒りがこみ上げてくる。 「何で私ばっかり」 洗濯物をたたんでも、いつのまにかソファには脱ぎ捨てられた服。 掃除機をかけた床には、早くも髪の毛や食べかす。 まるで、や…