続いて歌舞伎座夜の部を観劇。先に記したがこの夜の部はダブルキャストで、『彦山権現誓助剱』は松嶋屋と幸四郎、『無筆の出世』は松緑と坂東亀蔵であった。筆者はその両方を観劇する予定でチケットをおさえていたのだが、歌舞伎座の座席不良により全てのチケットが流れてしまい、日頃の行いのせいかと、諦めるしかなかった。慌てて再度予約したのだかどうしても予定が合わず、一公演のみの観劇となった。入りとしては昼の部同様、満席に近い盛況であったが。 幕開きは『彦山権現誓助剱』から「杉坂墓所」と「毛谷村」。云わずと知れた松嶋屋の当り狂言だが、筆者が観劇したのは幸四郎バージョン。配役はその幸四郎の六助、孝太郎のお園、秀乃介…