十一月の歌舞伎座公演を観劇。十一月の歌舞伎座と云えば恒例の「顔見世」興行なのだが、舞台機構設備の工事実施の為例月より休演日を増やし、夜の部の公演は二回しかないと云う変則的な公演となった。入りとしては、八分と云ったところであったろうか。新歌舞伎座も開場から十年が経過し、メンテの必要も出てきていると云う事であろう。出演する役者も、松緑を座頭としてグッと若返った座組になっていた。上演時間も二時間四十五分程度と短く、その分リーズナブルな料金設定となっている。「ようこそ歌舞伎座へ」と云うタイトル通り、新規顧客を開拓したいと云う松竹の思惑が見える。確かに桟敷席が九千円と云うのは、普段の歌舞伎座を考えれば破…