犬の散歩を兼ねたいつものコースだった。つい先日にタケノコを抜いたのも、蕗を手に余るほど摘んだのもこの場所だった。 この季節は朝九時には太陽もさんさんとして海抜900メートルでも暑い。太陽の光は強烈な熱量を放射する。彼は何を燃料としてあんなふうに燃えているのかとも思うけれど、少しは手加減をしてほしいものだ。しかし流石に木陰にくれば心地よい。冷涼な空気に支配され緑が空から降り自分を包む。 この散歩道は小さな森の中であり、この季節はいつも緑色だった。 慣れた道を歩いていると何かを踏んづけた。昨秋はドングリでありそこに松ぼっくりも混じっていた。薪ストーブのカンフル剤になるので松ぼっくりをたくさん拾った…