鯛の煮ものは、切り身より頭(かぶと)の方が、一品料理として格好がつく。そんな理由から、本体をお刺身で使うと頭は「鯛のかぶと煮」となって、お客に出される場合が多い。お店で注文する時は、時間がかかるだろうからと真っ先に通すと、居酒屋さんのバイト君が言う「酒・砂糖・醤油を、同量で煮込むだけで仕上がるんで、実に簡単な作業なんですよ」と言っていた。プロは調味料1:1:1を黄金比と呼ぶようだ。 お家でもチャッチャと作れるわけだから、バイト君が簡単と言うのはまんざら嘘でもない。しかしワシの狙いは、お味の濃い頬っぺ・身の詰まった脳天・胸ビレの裏からカマにかけての脂の乗り具合‥‥‥どれをとっても、三種珍味は本体…