『野生の棕櫚』ウィリアム・フォークナー|中央公論社(中公文庫)|2025.07.04 読了 最近、思うように本を読めていないのは、空いている時間はもっぱら小説の執筆に充てているからである。そうやって書くと、なんだか意識高い感じがして、ぼくがまるで素晴らしい人間のように思えてくるわけだけれど、まあ、あとはダラダラ朝まで酒を飲んだりして、そのまま仕事に行ったりと、結構破綻した生活を送っているというところが、読書ができていない大きな要因である。執筆は建前である。このほうがぼくらしくていい。 ところで、その小説なんだけれど、若い頃、文学賞の公募にバンバン原稿を送りつけていた頃は、ストーリーが湧いて出て…