2024年4月に出版された『I giorni di Vetro』(ガラスの日々)は、ニコレッタ・ヴェルナが手がけた歴史小説である。この作品は発表直後から批評家たちの間で高い評価を獲得し、イタリアの歴史小説を対象とするマンゾーニ賞、EU文学賞2025、シーラ賞2025という三つの権威ある文学賞を獲得した話題作である。 物語が展開される舞台はイタリア北部のロマーニャ地方に位置するカストロカーロとタヴォリッチという二つの小さな村落であり、ムッソリーニ独裁政権下のファシスト支配期(一般にVentennioと呼ばれる)から第二次世界大戦の混乱期、そして民衆による抵抗運動の時代へと歴史が推移する激動の時代…