ユクがうちにやってきて、四年が過ぎた。最初の一年は大変だった。いや、一ヶ月、一週間はもっと大変だったか。初日、二日目も大変だった。それを思えば、今の状態は、犬も人間も落ち着いていて、淡々と日々を暮らすことが出来るほどになった。犬は特に同じことを繰り返すほうが好きなように見える。予測できることを行っていくことに安心をおぼえるのだろう。気持ちは分かる。私もどちらかといえば、淡々と暮らすのが好きになってきた。 来た日のユク坊。 繰り返したところで同じ事にはならないのがおもしろいところで、そのおもしろさに気付くようになるのは、ある程度の経験が必要なのだと思われる。五歳児は淡々と暮らしたいとは言わない。…