ふと、「ものすごく大きな木が見たい」と思うことがある。 仕事でちょっと失敗した日とか、部屋の片付けが進まない日とか。自分の世界のちっぽけさに嫌気がさしたとき、人は大きなものを欲するのかもしれない。いや、ただの現実逃避かもしれないけれど。 そんなわけで、車を走らせて熊本市北区へと向かった。目指すは「寂心(じゃくしん)さんの樟(くす)」という、樹齢800年を超える大きなクスノキだ。 【樹齢800年というピンとこなさ】 熊本の街中から車を走らせること約30分。「寂心緑地」という公園に着いた。 駐車場から少し歩くと、すぐにそれと分かった。というか、分からないはずがない。 「……木というより、森じゃない…