学問を文系と理系とに分類するやり方は、自分を教養のある人間と信じている人々に批判される。当然だが、この分類法の意義は大学受験におけるものだけではない。むしろ学問を内容的に二分するやり方としては最も本質的な方法である。 理系と文系をどのように定義するかが重要である。単に数学を使うかどうかによって分けるような定義は数学コンプレックスの人々にとってのみ意義深い。 理系と文系を分けるもっとも明瞭にして有意義な方法は、分析の対象による分類である。文系は人間を対象とし、理系はそれ以外を対象とする。文系学問は分析の主体と対象とが同一であるという意味で、字義通りの意味では「客観性」を持ち得ない。このことが、文…