むかしむかし、寂れた商店街の片隅に、 埃をかぶった古道具屋がありました。 主は金次郎(きんじろう)という、 いかにも冴えないおじいさん。 金次郎は人生がまさに「七転八倒」そのもので、 何をやっても裏目に出る典型的なタイプでした。 ある日、金次郎は仕入れの帰り道、 道端で片腕のない招き猫を見つけました。 普通なら見向きもしないようなガラクタですが、 なぜかその日は妙に気になり、店に持ち帰りました。 「お前もワシと同じで、どこかポンコツだな」 そう呟きながら、金次郎はその招き猫を店の隅に置きました。 それからというもの、金次郎の七転八倒ぶりは、 さらに拍車がかかるのでした。 まず、店の前に立てた看…