ふだん空なんてろくに見ないのに、今日だけはちょっとロマンチックな気分になってしまう。だって七夕なんだもの。織姫と彦星が、年に一度だけ会えるって日。 そんなにロマン信じてるほうじゃないけど、「会えるの一年に一度だけ」って、なんか切ないし、いい。他人の話なのに、ちょっと自分の胸がギュッとなるのはなぜなんだろう。 で、夜になって、外に出た。ちょっとだけ空、見上げてみようかと思って。感傷とか、そういうのに浸れる日くらいあってもいいよなって。 ――で、現実。 すんごい曇り。雲がもう、どんよりモクモクしてて、星どころか月すらいない。天の川? どこに? ってなるレベル。 夜空の写真でも撮ろうかと思ってたのに…