小説家。ミステリ作家。男性。金沢大学文学部卒業。 座右の銘は、『性格を持たないとき、人はたしかに方法を身につけなければならない』
1978年 岐阜県生まれ。 2001年 『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞を受賞し,角川スニーカー文庫からデビュー。 2011年 『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞を受賞。
*1:当初は角川《スニーカー・ミステリ倶楽部》
*2:当初は角川《スニーカー・ミステリ倶楽部》
どこかで見かけたタイトルで、気になっていました。映画化されているのかな。 米澤穂信作品。 バイトを探していたら、時給10万を超える記載を見つけ、誤植か?と思いつつも参加した12名のミステリー。 ミステリー好きにはいろいろなオマージュが入っていて面白いのかもしれない。 12人もいると確かに大変なのかもしれないが、キャラの色付けがちゃんとできていない登場人物が何人かいるが、途中退場してしまうのでやむを得ないのか。あらすじとしては、まぁまぁよく考えられているとは思うが、途中でネタに薄々気づいてしまうという浅さが少しきになる。そのため、最後にがーん!ということはかった。 またタイトルの「インシテミル」…
米澤穂信の『追想五断章』を読んだ。2009年に集英社より刊行された長編推理小説だ。以下の概要はAmazonより引用: 大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光(すごう よしみつ)は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語(リドルストーリー)」を探して欲しい、と依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり――。五つの物語に秘められた真実とは? 青春去りし後の人間の光と陰を描き出す、米澤穂信の新境地。精緻きわまる大人の本格ミステリ。 実家の都合で金がなく大学を休学し、伯父の古書店でアルバイトをしていた男性のもと…
98.満願(米澤穂信/新潮社) 総評:★★★⭐︎⭐︎ オススメ:動機にぞくりとするイヤミス短編集を読みたい方へ
体調が悪く、寝床でずっと本を読んでました。 官兵衛様好きなのに ずっと手をつけてなかったゴメンナサイ…! 黒牢城 (角川書店単行本) 作者:米澤 穂信 KADOKAWA Amazon ジャンルとしてはミステリーで、それでいて戦国時代を舞台にした作品で。 歴史ものは初めて執筆された方だったと記憶しているのですが、時代物ジャンルに浸りきっている読者及び作者では、悪く言えば凝り固まって出てこないような着想と描き方に新鮮! おもしろい! と唸りました。 なるほど確かに、籠城戦をしてる城は、疑心暗鬼飛び交う「巨大な密室」だな! 幽閉された切れ者軍師を、安楽椅子探偵にするのか! とワクワク読みました! ゆ…
そしていつか摑むんだ、あの小市民の星を。小市民を目指す小鳩君と小山内さんのコミカル探偵物語小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに2人の前には頻繁に奇妙な謎が現れる。消えたポシェット、意図不明の2枚の絵、おいしいココアの謎、テスト中に割れたガラス瓶。名探偵面をして目立ちたくないというのに、気がつけば謎を解く必要に迫られてしまう小鳩くんは果たして小市民の星を掴み取ることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語。 (紹介文引用) タイトルの様に本作には、クレープ、いちごタルト、ココア、ひいて…
はじめに あらすじ 信念 サーカスの座長 おわりに はじめに 私たちは日に何百、何千という情報に触れる。流行のスイーツに芸能人のゴシップ、政治や経済の様子など、情報に触れない日はない。それと同時に、見聞きしたことを伝えもする。SNSを開けば新しい投稿が次々と流れてくるのも、愚痴やうっぷんが溜まれば誰かに話したくなるのも、人間が持つ根源的な欲求によるものなのかもしれない。 テレビやネットを見ていると、何を知るのか、何を伝えるのかという「何か」にばかり重きが置かれ、なぜ知りたいのか、なぜ伝えるのかという「なぜ」の部分が抜け落ちているような気がする。 なぜ私はそのことを知ろうとするのか。なぜ私はその…
本記事では米澤穂信さんの小説『クドリャフカの順番』を紹介します。 古典部シリーズの三作目である。 クドリャフカの順番 あらすじ 登場人物 ネタバレなしの感想 ネタバレありの感想 クドリャフカの順番 著者:米澤穂信 出版社:KADOKAWA ページ数:400ページ 読了日:2024年1月22日 米澤穂信さんの『クドリャフカの順番』。 古典部シリーズの第三弾である。 『氷菓』のタイトルでアニメ化と漫画化がされている。 あらすじ 神山高校で待望の文化祭『カンヤ祭』がはじまった。 だが、折木奉太郎が所属する古典部では、トラブルが発生していて、 出品する文集『氷菓』を大量に作りすぎてしまった。 そのため…
読書日記 2024年1月31日-2月6日 ・米澤穂信『真実の10メートル手前』 ・米澤穂信『王とサーカス』 ・米澤穂信『インシテミル』 ・ほったゆみ、小畑健『ヒカルの碁』13-23巻 ・ロバート・A・ハインライン(矢野徹訳)『月は無慈悲な夜の女王』 ・レイ・ブラッドベリ(伊藤典夫訳)『華氏451度』 ・ヴィクトル・ユーゴー(豊島与志雄訳)『レ・ミゼラブル(完全版)』(前半) ・龍門諒、恵広史『BLOODY MONDAY』1-5巻 以下コメント・ネタバレあり
こんばんは、紫栞です。 今回は、米澤穂信さんの【小市民シリーズ】をご紹介。 小市民シリーズとは 【小市民シリーズ】は米澤穂信さん初期の代表作である2大青春ミステリ小説シリーズの内の一つ。※もう一つは【古典部シリーズ】ですね。 www.yofukasikanndann.pink シリーズ第一作が刊行されたのが2004年で、今からおよそ20年前。その語、2006年に二作目、2009年に三作目と続けて刊行されましたが、それ以降長らく音沙汰無し状態が続き、11年後の2020年に番外編の作品集発売。 やっとシリーズ再始動か!?と思いきや、また4年音沙汰無しだったのですが、なんと、2024年7月にこのシリ…
可燃物作者:米澤 穂信文藝春秋Amazon 「このミス」「文春」「ミステリが読みたい!」の三冠。 「本格ミステリベスト10」でも第二位という、超高評価の作品。 ってのが不思議に思えるくらい、すごく地味な作品。 五つの短編それぞれがミステリとして高水準な出来映えではあるのだけど、 キャッチーな感じは少なく、警察小説としての読み甲斐が高いかと云えば、 そうでもないんだよなぁ。 何しろ探偵役の葛警部は、指揮官的な立場でありながら、 組織的に解決するというよりは、自分一人だけで勝手に解き明かしちゃう。 いわゆる通常の名探偵構造と同じではあるのだけど、警察小説という枠内で 描かれているので、名探偵的な装…
昨年から読書量が回復している。実は全てAmazon Audibleのおかげだったりする。ジョギングをしながら、料理をしながら、通勤しながら、風呂に入りながら。ながら聴きすることで作品に触れられる時間が一気に増えた。ジョギングの苦痛も減ったし、甘夏の薄皮を剥くような単純反復作業も厭わなくなった。面倒なことをする時間が作品を楽しみながら作業を進められる時間に変わった。文明の利器万歳。 デメリットもある。内容が詰まらないと気が散って聴くのをやめてしまうこともある。感情を入れ込みすぎた過剰なナレーションだとうんざりして紙の本を買いなおすこともある。字面が意味を持つ作品には向かない。よって図やチャートを…
『冬期限定ボンボンショコラ事件』の刊行に向けて、〈小市民〉シリーズの長編三作を再読した。どれも以前読んだときとは異なる味わいがあり、様々な点に気づかされた。数日後の私はもう、小鳩くんと小佐内さんの冬の物語を知ってしまっている。つまり秋までしか知らない段階で感想を書けるのは今だけなのだ。このことに気づいたとき、私は居ても立っても居られない気持ちになった。冬の感想は書く、冬を読んで改めて春夏秋を振り返る感想もおそらくそのときに記す。だからまずは、冬期未読の私が三作を読んで感じたこと、おもったことを、ここに刻んでおきたい。自分の現在地を忘れないように。 〈小市民〉シリーズアニメ化発表直後に書いた文章…
可燃物 (文春e-book) 作者:米澤 穂信 文藝春秋 Amazon 米澤 穂信の短編推理小説。主人公は群馬県警本部刑事部捜査一課の葛警部。上司や部下、同僚からさほど人望があるわけでもなさそうで、いつも菓子パンとカフェオレばかり食し、そしてひたすら冷徹に現実を見つめ続ける。葛警部は笑わず、怒鳴らず、人を褒めず、卑屈にもならず、愛想も悪く、無駄口をたたかない。まるで人間味がない主人公なのだが、著者の無駄をそぎ落とした骨太な文体とあいまって、私はこの葛警部を大いに気に入ってしまった。著者には是非、続きを書いてほしい。
4/15 月曜日 次男朝から微熱で学校お休み。喉も痛くて頭痛もするという。風邪っぽい。とりあえず近所の内科クリニックを予約しておく。食欲は満点だから心配はないな。コロナのおかげで病院も完全予約制となりちょっと不便だけどわかっていれば大丈夫。仕事から帰宅後内科クリニックへ行くとやっぱり風邪だった。既に熱は下がっていたから明日には学校行けるかな。 以前からファンだった人のブログでまさかそんな言葉使うの?ってことがあった。その言葉が悪いんじゃない。その人がどこでその言葉を使うかが問題だった。そのことが私のモラルに反してしまって一瞬で冷めてしまう。何年もその方のブログ読んでいてまさかでこんな終わりが来…
こんばんは。今日はスタバ行こうかと思ってましたが、読みたい本が手元になくて、結局ダラダラとアニメ見て過ごしてました。 読みたいと思える本がないと、なんかもやもやとした気持ちになります。特に小説が読みたいです。一時期自己啓発本やビジネス書にハマっていましたが、有益な情報を求めて本を開くより、自分と何の関係もない小説読んだ後の方が満足感が高かったりするんですよね。 そう思うのも、作家の米澤穂信さんが「米澤屋書店」という本で「必然性のない読書をしよう」と語られていて、それがすごい腑に落ちたのを覚えています。 普通の生活者が更なる情報を求めてテレビやネットに常時触れ続けることは、必ずしも安全なこととは…
●クドリャフカの順番 米澤穂信 神山高校1年生の折木奉太郎は、姉の勧めもあり、同級生である千反田える、福部里志、伊原摩耶花たちとともに古典部に入部する。奉太郎は自身の身の回りで起こる不思議な事柄の謎を解いていき、いくつかの事件を解決する。そんな中、学校での文化祭が始まるが…。 神山高校の文化祭が始まる。奉太郎たち古典部は文集「氷菓」を販売することになるが、摩耶花のミスで30部発注する予定が200部発注してしまい、古典部の皆はそれを売り尽くすために奮闘することになる。 えるは壁新聞や校内ラジオ放送で宣伝してもらうため、里志はクイズ大会や料理コンテストに出場し「氷菓」の宣伝をすることに。奉太郎は教…
4/8 月曜日 仕事終えて雨が降る前に畑とそのまわりの草むしり。今年も夏野菜だけはやろうと思ってる。去年失敗したきゅうり、今年は早く植えたい。オクラが良く採れたから今年は株を増やす。けどオクラはちっさい毛虫が着くから嫌という葛藤もあり。とにかく今月中に土を入れてGWには苗を植え終えるぞ。 市役所にも行ってプールの助成割引券を発行してもらった。 4/9 火曜日 旦那ちん、胃カメラの日。結果は胃が上に上がってるみたいでそれが原因での痛みなどなどらしかった。胃カメラの前日に毎日飲むお酒が悪いんじゃない?って話しててやっぱりお酒は程々に休肝日を設けて、と言われたらしい。できるのかなーーー。旦那は案外そ…
第21回(2024年)本屋大賞が発表になりましたね。 www.hontai.or.jp 宮島未奈「成瀬は天下を取りに行く」(新潮社)。個人的な話になりますが、私は21回を数える同賞について気にしたことはありません。今回生まれて初めて注目していたのです。その理由はといえば、こちら。 kerodon.hatenadiary.org そう、ツイッター(現:X)で知って、すぐに単行本を購入して読んだからなのです。書籍やら何やらで置き場所が困ったことになっているので、単行本の購入は控えているにも関わらず、すぐに読みたくて。ーーーさて、本屋大賞。どうも胡散臭くて注目していなかったのですが、なんでかな?とい…
今更ながら、昨年読んだ本をまとめました よろしければ 漫画 『靴の向くまま(1)-(2)』 みやびあきの 講談社 『税金で買った本(1)』 原作 ずいの 漫画 系山冏 講談社 『月刊少女野崎くん(15)特装版』 椿いづみ スクエア・エニックス 『ばらかもん(1)-(3)』 ヨシノサツキ スクエア・エニックス 『ハクメイとミコチ(8)』 樫木祐人 KADOKAWA 『メンタル強め美女白川さん(1)』 獅子 KADOKAWA 『気になっている人が男じゃなかった(1)』 新井すみこ KADOKAWA 『きょうの猫村さん(1)-(3)』 ほしよりこ マガジンハウス 『喰う寝るふたり 住むふたり 続(4…
あなたの小説にはたくらみがない―超実践的創作講座―(新潮新書)作者:佐藤誠一郎新潮社Amazon文芸新潮で編集を40年やった業界の重鎮らしい。書名の「たくらみ」という言葉を聞くとテクニック論みたいなものを想像する方が多いと思うが、創作論や文章論のようなものはほとんど書かれていない。良くも悪くも心構えとか精神論みたいなのが多く、あえて書くと、うーん、「文芸論」とか「小説論」みたいなワードが近いかも。けど「わしの考える小説とは……」といったニュアンスを終始感じる。茶飲み話というか。酒を飲んでクダをまくじいさんというか。あと、事例が古いんだよな。宮部みゆき、髙村薫、小池真理子――もちろん宮部みゆきも…
Vampire Weekend(ヴァンパイア・ウィークエンド)|『Only God Was Above Us』米オルタナ・バンド最高峰!5年の沈黙を破る5作目のアルバム - TOWER RECORDS ONLINE 4月上旬はVampire Weekendのこのリリース「Only God Was Above Us」でもはもちき(もはやその話でもちきりの略*1)でしたね。私もずっと聞いていました。今回はこの10曲の、音楽としての内容は置いておいて、タイトルのカッコよさについて語っていきたい。 それぞれ調べたらエズラのインタビューとか出てきて由来とか書いてある可能性はありますが、そこまで調べると考…
おすすめの小説、死ぬまでに読むべき小説、過去最高の小説…などなど。 限られた時間の中で、いい小説と出会いたいけれど、どんな作品が「いい小説」なのかわからないという方は、まずは本記事を読んでみてください。 日本で最も有名な賞のひとつ、「直木賞」を受賞したおすすめ小説を11冊紹介します。 ゴリ部長文学界で有名な作家によって選考される、素晴らしい小説ばかりだよ。 なお、紹介する小説はAmazonのオーディオブック「Audible]」で聴けます。というより、おすすめします。 Audible無料体験で直木賞作品を聴く 気に入ったら、書店で紙の本で買う これで効率よくいい本に出会えます。 さぁ、はじめよう…
おもしろい小説を読みたい! というわけで、歴代の「本屋大賞」受賞作品とランキング作品をすべてまとめた。表紙画像クリックでAmazonへ、あらすじやレビューも確認できるのでご参考まで。 それではいってみよう! 2024年 本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈 「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。 成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ作者:宮島未奈新潮社Amazon 2024年 ノミネート作品(2…