ーーーー講義録始めーーーー では、この領土問題の「落としどころ」はどこにあるのでしょうか。日本政府は以前、竹島問題を国際司法裁判所(ICJ)に付託しようとしました。領土問題では各国が自国の主張を100%正当と信じる傾向が強いため、第三者機関を介入させることが重要です。 国際司法裁判所への提訴は、相手国の同意がなければ審理は開始されませんが、提訴の表明自体が「日本側には勝算がある」というメッセージを韓国国内に送る効果があります。その結果、対立の緊張を和らげ、感情的な軍事衝突へのエスカレーションを抑制することが期待できます。 ICJは、民族主義的感情が比較的高まっていない問題については判決を下しま…