脂質異常症とは、血液中に含まれる脂質が過剰、もしくは不足している状態である。また、2007年7月に従来の高脂血症から脂質異常症に改名された。
LDLコレステロールが血液中に多く存在する(140mg/dL以上)タイプの脂質異常症である。
HDLコレステロールが血液中に少ない(40mg/dL未満)タイプの脂質異常症である。
生活習慣の乱れ
家族性脂質異常症(代謝異常など先天的要因で、治療回復が困難である。)
ガイドライン/ガイダンス 脂質異常症―こう診る・こう考える
紅麹(べにこうじ)を配合したサプリメント「紅麹コレステヘルプ」の服用者が健康被害を訴えている問題。2024年3月27日、小林製薬は4人の摂取者の死亡を報告するに至った。複数の死者が出るという、企業の不祥事として最悪レベルの事態といえる。 まじで最悪な事件だ。度々外来で「サプリメントは中身に何が入っているかしっかり証明されておらず、安全性の確認も不十分で、更に”高価”で”効果”の無い、ゴミ」と言っているように非常に危険なのです。 サプリは”効果”の無い、”高価”な商品。すぐやめよ。 以前、書いたブログをみて頂きたい。 blog.shinjuku-naika.clinic 端的に言う。 「サプリは…
病気には自覚症状があると思う人もいるかもしれないが、自覚症状を感じない病気は意外に多い。病気が発見された時には遅かったという事態にならないためにも、自覚症状のない病気や病気による合併症などについて知っておくと役立つ。偏った食事や過度の飲酒などが原因の生活習慣病には、糖尿病や脂質異常症、高血圧などが存在する。 自覚症状がない病気として有名なのは、インスリンの作用が不十分であることが原因で起こる糖尿病である。喉が渇きやすくなる、たくさん食べてもやせてしまうなど自覚症状は出るが、何かしらの違和感があった時にはかなり進行している可能性が高い。合併症では、動脈硬化性の病気、感染症にかかりやすくなるなどが…
今回は前回の内容に倣い、脂肪肝・インスリン抵抗性を起こしやすい行動習慣について話していこうと思います。 とその前に、何回かに分けて書いていたせいで、方向性を見失いそうになっていたので一旦内容を簡単に整理してから進めていこうと思います。 話の大元は脂質異常症の診断基準の1つであるトリグリセリド(TG)は、どうすると上昇するのかという話から始まり、 その中で、血中に存在するTGは食事由来のカイロミクロンと体内(肝臓)で合成されるVLDLというタンパク質に存在しているという話でしたね。 で、空腹時にTGが高いのは主にVLDLによるものであるという話から、じゃあどうするとVLDLの合成が促進されるのか…
生活習慣病とは、食生活や運動習慣などの生活習慣が原因となって発症する病気です。具体的には、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、メタボリックシンドロームなどが挙げられます。 生活習慣病は、一度発症すると完治することは難しく、適切な治療を継続することで症状をコントロールし、合併症を防ぐことが大切です。 生活習慣病を治す方法は、大きく分けて以下の3つがあります。 食事療法 運動療法 薬物療法 1. 食事療法 食事療法は、生活習慣病の治療の基本となります。食事療法では、以下のことに気をつけます。 塩分を控える 脂肪を控える 糖質を控える 野菜をたっぷり食べる 適度な量のたんぱく質をとる 具体的には…
前回に引き続き、脂質異常症の診断基準の1つでもある高TG(トリグリセリド)血症について、どうすると上昇するのかについて勉強していこうと思います。 前回の内容を簡単にまとめると、体内でTGを運ぶ物質としてカイロミクロンとVLDL(超低密度リポタンパク質)があり、食事由来の脂質を運搬しているのがカイロミクロン、体内で生成されたTGを運搬しているのがVLDLだという話をしました。 また血中のTG濃度は食事によって変化することがわかっていて、食後のTG上昇は外因性であるカイロミクロンに伴うものであり、つまり空腹時のTG濃度の高さはVLDLに左右されていることが考えられるという結論から、 VLDL合成が…
今回は脂質異常症の検査項目の1つである高トリグリセリド(以下TG)血症について、どうすると上昇するのか?ということについて勉強していこうと思います。 高TG血症は世界だけでなく日本においても脳卒中リスクや虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)のリスクを高めることが報告されています。L 日本の疫学調査では空腹時のTG値が150以上の場合において、虚血性心疾患のリスクが高まると報告されています。 そのため現在脂質異常症の診断基準では、空腹時のTG値が150以上に設定されています。そういう理由で診断基準の値が決まっているんですね! 基準値がなんでその数値に設定されているのかがわかると、健康診断とかでの…
今回はLDLコレステロールが増加させる生活習慣の共通点について話していこうと思います! LDLコレステロールの増加は、動脈硬化やプラーク形成に伴って心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすリスクが高くなることで知られています。 またLDLコレステロールを増加させる要因についても、ネットで調べればすぐに色々出てくるので知っている方も多いのではないのかなあと思います。 一般的に言われているLDLコレステロールの増加要因は以下のようなものがあります。 飽和脂肪酸の摂りすぎ 食事中のコレステロールが多い トランス脂肪酸の摂りすぎ 運動不足 ストレス 加齢 遺伝 肥満 など。 ただ実際はLDLが増加する原因も個…
前回の記事ではHDLコレステロールが低下してしまう原因の考え方として、合成臓器や合成に必要な材料が不足してしまうのではないか、ということについて話しました。 まだ読んでない方はこちらからどうぞ! yoboucare365-ysk.hatenablog.com 今回はHDLが減少してしまうもう1つの考え方、《HDLの需要が多くなり枯渇してしまっているのではないか》について話していこうと思います。 HDLが枯渇してしまう理由と対策 HDLだけ低くなることがあるのはなぜか? HDL低下を予防・改善するために学ぶべきこと HDLが枯渇してしまう理由と対策 HDLコレステロールのことについて少し振り返る…
今回はHDLコレステロールについての話をしていこうと思います。 HDLコレステロールは、全身に余ったコレステロールを肝臓に回収してくれるという非常に優秀な働きをしてくれています。 しかし検査項目の基準値を見てわかるように、体内におけるHDLコレステロールの割合がLDLコレステロールと比べて少ないことがわかります。 そのため、コレステロールが多くなりすぎてしまうような生活をしたり、HDLの産生を停滞させてしまうような健康状態では、簡単に基準値を下回ってしまいます。 そのため、HDLコレステロールが枯渇しないようにしていくにはどうしたらいいのかを知っておくことは、脂質異常症を改善するだけでなく、心…
"> ">こんにちは、遊輔です。 今回は脂質異常症と診断された場合、それが何のリスクを示していて、何を伝えてくれているのかということについて考えていきたいと思います。 診断について何を示しているのかについて理解を深めることは、重症疾患のリスクを避けるための予防行動につなげることができます。 ぜひ一緒に勉強していきましょう。 脂質異常症の診断が示すリスクとは 脂質異常症の診断基準の意味 冠動脈疾患リスクを示す4つのカテゴリー 診断や治療方針から汲み取ってほしいメッセージ 脂質異常症の診断が示すリスクとは では早速結論から話すと、脂質異常症はなんのリスクを示す指標かというと、動脈硬化性疾患のリスク…
年金月10万円生活できるについて 年金月10万円で生活できる 年金月10万円で生活できる?:老後の不安を解消するためのガイド 近年、年金制度への不安から、「年金月10万円で生活できるのか?」という疑問を持つ人が増えています。 果たして、本当に年金だけで生活できるのでしょうか? このガイドでは、年金月10万円で生活できるかどうかについて、収入、支出、住居、食費、医療費などの観点から詳細に解説します。 また、収入を増やす方法や節約術、政府の制度・支援、民間サービス、地域コミュニティなど、老後の生活を豊かにするための情報も紹介していきます。 老後の生活は、人生の中でも重要な時間です。このガイドを参考…
今週のお題「お弁当」 健康診断などで「尿酸値(にょうさんち)」という言葉を見たこと、聞いたことはありますか? 尿酸(にょうさん、英: uric acid) 分子式 C5H4N4O3、分子量 168 の有機化合物である。 尿酸 - Wikipedia 尿酸値の検査と聞くと、検尿で測定すると思うかもしれませんが、実は「血液検査」で測定しています。 この尿酸値の値が高いと「高尿酸血症」と診断されます。 ところで高尿酸血症とはどういうこと、なのでしょうか。 高尿酸血症 高尿酸血症とは、尿酸値(血液中にある尿酸の濃度)が7.0mg/dLを超えた状態をさします。 高尿酸血症が続くと、血液に溶けきらなくなっ…
前回は、親友のリリからの患者教育を詳しく載せた。 今回は、リリが循環器病棟で勤務していた頃に使っていた患者教育の資料を一部抜粋して伝えよう(^_^)/ 私のひとり言付き(*^^)v 私は2022年の4月にリリからこの資料をもらったんだけど、「入院中看護師から何も聞かなかったからリハビリについてリリ教えて」ってお願いしてた。 今初めて打ち明けるんだけど、私は入院中がっつり患者教育を受けてたようで、たくさんの資料がクローゼットにしまってあった。 しかもクオリティーも素晴らしい。 退院して1年以上経ってから気付いてしまった。 「看護師だから分かるだろうと思って患者教育されなかったのかな。」ってリリと…
先日撮った腰のMRI結果は・・・ レントゲンでは「骨折」と言われていたんだけど 「第4.5頸椎の椎間板ヘルニア」と。 ・・・うそやん、まじすか? 呆然…の前に思わず笑いが出てしまった。 骨折のほうがまだましじゃ!!と。幸い、まだ軽症なのでコルセットしながら仕事はできます。介護士に多いんだよね。ヘルニア持ちさん。 私のように膝を壊したり(左足は30数年前にバイクでこけて手術しました) 今回、右が悲鳴を上げてしまったわけですが。 両親よりも、何かしら病院ばかり。 親不孝者なのだろうか・・・溜息しか出てこない。 子宮の病気(おそらく再発している)・足(両方)・片目(左目がほとんど見えない) 甲状腺の…
Research Nesterは、「除細動器市場:世界的な需要分析と機会展望2031年」というタイトルのレポートを発行しました。これは、製品タイプ、エンドユーザー、および地域ごとの市場分割の観点から、世界の除細動器市場の詳細な概要を提供します。 さらに、詳細な分析のために、レポートには、市場の成長に関連する現在および将来の市場動向に関する詳細な議論とともに、業界の成長指標、制約、需要と供給のリスクが含まれています。 市場レポートのサンプルをリクエストする@ https://www.researchnester.jp/sample-request-4284 世界の除細動器市場は、予測期間中、つま…
私は日本腎臓学会の理事を拝命しておりますが、日本腎臓病協会でも広報活動を中心に様々な役割をいただいております。このうち日本腎臓協会は腎臓疾患の啓発活動を担う役割を果たしておりますが、先日、アンバサダーである檀れいさんとご一緒させていただく機会がありましたので報告させていただきます。写真を含め、記事の内容は全て日本腎臓病協会ホームページからの抜粋です。https://j-ka.or.jp/krij/event/project-20240314.php 写真:檀れいさんと日本腎臓協会主要メンバー(日本腎臓協会ホームページより) 慢性腎臓病(CKD)とは腎臓の働きが徐々に低下していく病気で、国内推定…
こんにちは。 これまでもブログに記したが私は脂質異常症とアレルギー性鼻炎、喘息の薬をもらいに月一回、かかりつけの内科に行く。 先日いつも通りに行ったら、初めて「身長と体重をはかりますね」と言われたので、別の人と間違われているのだと思っていましたが聞き直したら確かに私だと。 「健康診断の結果は毎回お見せして履歴は残されているはずですし、初めてここで言われたのですが何かありましたか?」と聞いたら、「生活習慣病のチェックで皆さんに測ってもらうようにしたのです」とのこと。 納得。有り難いしちょうどいい。 素直に身長を測ったら160cm。若い頃はどれだけ頑張って牛乳を飲んでもカルシウム錠を飲んでも160…
レクビオ皮下注: 脂質異常症治療の新時代へ はじめに 脂質異常症は、 日本人の死因トップである 『心疾患』や『脳卒中』 のリスクを高める重要な疾患です。 近年、治療薬の選択肢は広がり、 皮下注製剤レクビオの登場により、 より効果的で利便性の高い治療が可能となりました。 本日、勉強会があったレクビオ皮下注について ご紹介したいと思います。 レクビオ皮下注について、より詳しく学びたい方はこの先も読んでみてください! 脂質異常症治療薬: あなたに合った薬はどれ? 高コレステロール血症は、 動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高める病気です。 脂質異常症治療薬は、コレステロール値や中性脂肪値を下げ…
大正製薬から販売されているダイエット薬アライの購入方法を解説します。 アライは要指導医薬品に該当するため、誰でも購入できるわけではありません。購入条件が厳しく設定されており、ダイエット目的や条件を満たさない肥満気味の方は購入できません。 アライの購入条件ですが、18歳以上の成人腹囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上食事や運動などの生活習慣の改善を取り組んでいることの3点です。しかし、脂質異常症や高血圧などの治療を受けている人はアライを購入することができません。 アライ購入の流れですが、購入3か月前に生活習慣改善を行ない、購入1か月前から生活習慣改善の記録する必要があります。それで初めて薬剤師と対…
市販薬で肥満対策、日本でも 大正製薬「アライ」発売(2024年4月9日『日本経済新聞』) 4年4月9日 9日に上場廃止となった大正製薬ホールディングス(HD)は8日に内臓脂肪を減らす市販薬「アライ」を発売した。体内で脂肪の吸収を阻害する仕組みの治療薬だ。海外では市販薬として販売されているが、肥満を改善する医薬品の販売が日本でもようやく始まった。大正製薬HDは非上場化後に市販薬の製品群を拡充し成長を目指す。 アライは体内の脂肪の吸収を抑えることで内臓脂肪の蓄積を阻害する。食事中に含まれる脂肪の約25%を吸収せずに排出する。体重減少効果は3%程度で限定的だが、摂取カロリーを抑えることができるように…
nai 大正製薬から4月に発売される予定の、内臓脂肪減少薬『アライ』 アライの購入には、薬剤師さんからの購入という決まりのほか、条件があります。自分で手に取って購入したいというなら、漢方薬という選択があります。 ここでお話するのは、市販薬の漢方のおはなしです。 この記事にはプロモーションが含まれています 肥満やむくみの漢方市販薬 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) 大柴胡湯(だいさいことう) 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう) 防風通聖散 どんな人向け? 構成生薬 その生薬の特徴は? 大柴胡湯 どんな人向け? 構成生薬 その生薬の特徴は? 防己黄耆湯 どんな人向け? 構成生薬 その生薬の特徴は?…
みなさんは「日本人は長寿で」「100歳まで生きる」って思い込んでいますよね?それウソがあって「半分は70歳前後で死んでしまい」「運がいい人が100歳まで少し生きている」ということです。 ■実はほとんどが50代で死に出す 私は「芸能人の病気一覧」を作り出し、今時点で320人ぐらいの母集団を持っています。芸能人や有名人は「公然情報」で「自己の健康の問題」をつぶさに語っているので……意外と精度高いデータ分析ができるのです。 ある面一般人より「いろいろな情報」を「楽に把握」できる。いちいち会ってインタビューしなくても「読める」ことがいっぱいある。 だけど、データを分析出してから「うわー、こわー」って「…
肥満症治療薬として約30年ぶりとなる医療用医薬品「ウゴービ」の処方が始まった。デンマークの製薬会社ノボノルディスクが開発し、公的医療保険も適用される。 懸念されるのはダイエット目的による不適切な使用だ。同じ成分の糖尿病治療薬は「痩せ薬」として注目を集め、かねて美容のための乱用が問題になってきた。 本来は肥満によって起こる糖尿病などの病気の改善を目的に使うもので、安易な不適切使用を避けるべきなのは言うまでもない。薬が必要な患者に届くよう、国は供給体制なども適時見直すことが求められる。 ウゴービは「GLP1受容体作動薬」と呼ばれるタイプで、膵臓(すいぞう)の細胞に作用して血糖値を下げるインスリンを…
今日は先ずは医者。朝、測った体重が前回の時よりも少な目だったから、体重管理サービスに加入しないかと言う勧誘は避けることが出来たが、さて、2か月後の次回はどうなっているかな(医者って最大1か月以上間を開けては駄目なんじゃなかったっけ)。で、厚労省が体重管理を厳格にしろと言って来たから療養計画書を作れと言う。もっともらしいが本物なのか。調べたら、 (1)外来の改定では、「特定疾患療養管理料」から脂質異常症、高血圧、糖尿病の3疾患を除外し、「受け皿」として「生活習慣病管理料(II)」が新設された。 (2)新設された「生活習慣病管理料(II)」では、「生活習慣病管理料(I)」と同様に、療養計画書で説明…
ダイエットをしてもなかなか痩せなくてお困りの方は多いと思います。 お腹周りの内臓脂肪は糖尿病や高血圧症、脂質異常症、動脈硬化といった様々なリスクがあリます。 今回は2024年4月8日に新たに発売予定の内臓脂肪減少薬であるアライ(オルリスタット)について解説します。 肥満の治療薬(内臓脂肪減少薬)とされており肥満症の治療薬とは異なり、糖尿病や高血圧、脂質異常症等と診断されている方が治療目的に使用することはできません。 肥満に伴う高血圧や糖尿病等の健康障害を予防するための薬です。 この記事では 本当に効果がある? 危険な薬ではない? 飲む際の注意点や副作用は? 購入のための条件は? といったことに…