カーテンコールが終わり客席の照明がついたとき、わたしは隣の人に尋ねたくてたまらなくなった。「え、意味わかりました?」 意味が、よくわからなかった。林遣都くんの美しさにうっとりして、たびたびぽうっとしたのと無関係ではないにしても、それにしたって謎だらけで全体的に意味がわからなかった。 意味、というのは、なんでそうなるのか? という、因果関係のわからなさ。むしろ「わかる」とはっきり言える部分なんて一つもなかった。 みんな何でもない顔でさっさと劇場を出ていく。わかったんですか、あれが。どなたか、教えてくれませんか。意味不明すぎて、自分がアホみたいだ。自分をアホ認定するために舞台を観に来たみたいだ。 …