何度も手にとったことは記憶にこびりついているのに、タイトルすらもおぼろげな、幼い頃に読んだ絵本の数々。そのページをめくる感覚。そういったものが思い起こされて寂しさと懐かしさがきゅっと湧き上がるような作品だった。 公演時期やチケットの料金設定からしても小さなお友達にたくさん来て欲しい企画であるのは明白で、サーカスのパフォーマンスに歌やコントのような掛け合いや客席参加型の演出などわかりやすい楽しさも目白押し。私は残念ながら大きすぎるお友達で、普段ならもっと斜に構えて観てしまいそうなものなのに、不思議とあの空間の中では安心して笑っていられた。もしかして少しの間だけ小さいお友達に戻れていたのかもしれな…