小川洋子の同名小説に収録された3つの短編のうちの1つがフランスで映画化。
『L’ANNULAIRE』
ディアーヌ・ベルトラン
ブリュノ・ベルテミ
アラン・デュプランティエ
ベス・ギボンス
忘れたいけれど忘れられない思い出の鍵となる、捨てることもそばに置いておくことも出来ない品を標本にするラボで働くことになった女の子と標本技師の美しくも奇妙な話。
薬指の標本 (新潮文庫)
薬指の標本 SPECIAL EDITION [DVD]
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レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「薬指の標本」(2005)です。 イリス(オルガ・キュリレンコ)は、ある炭酸飲料工場で働いていて薬指の頭を切断してしまう。イリスは工場を辞めて、ある港町に行く。小さなホテルの部屋をシェアして仕事を探し始める。ある時3階建ての古い建物の前を通りがかった時、受付の仕事の募集をしていたので応募する。白衣を纏った「標本士」と面談して、少しばかり怪しい雰囲気であったが気にせず、彼女は仕事を得て働き始めるのだが… 時々ありますね、独特の雰囲気を持ったフランス映画。この作品を見ていて思い出したのはベネックス監督「溝の中の月」でし…
誰もが一度は経験する喪失。その記憶は、年月が経っても忘れることは難しいものです。いっその事、標本にでもしませんか? ご訪問いただきありがとうございます。カオルです。今回は、小川 洋子さんの『薬指の標本』の感想です。表題作『薬指の標本』と『六角形の小部屋』の2編収録。 女心を掴む濃厚な90ページです。2005年にはフランスで映画化されています。 小川 洋子さんの作品は、1991年に『妊娠カレンダー』が芥川賞受賞、2004年には『博士の愛した数式』が 読売文学賞、本屋大賞を受賞しています。映像化されている作品も多いです。今どハマり中です。 ※多少ネタバレあり。 作品 タイトル: 薬指の標本 著 者…
R読書会 2023.05.27【テキスト】『薬指の標本』小川洋子(新潮文庫)【参加人数】5名、感想提出1名※オンラインでなく対面形式でした。 <推薦者:参加者A(欠席)>[事前のレジュメより]《1》閉鎖的な空間で起きるミステリアスな物語 火傷の少女はどうしたのだろう。以前この標本室で勤めていた女性たちが消えたというがどういうことだ。これらの謎を残したまま物語は終わる。浴槽で衣服を脱がされ、彼に抱きしめられる。全裸に黒い靴を履いたままの姿は強烈な印象だった。しかし、四月にアジアの若手作家のみずみずしく溌溂とした作品群に接したためか、この作品にはなじめなかった。彼一筋の「わたし」の生き方が気持ち悪…
以前の職場で「指の皮が薄い」と言われたことがある。普段は特に不自由しないが、ちょっと無理をすると指紋が削れてしまう。化学薬品や工具を扱うときに少しだけ気をつける。仕事内容によっては、だんだん皮が強くなってくる。逆に触覚は敏感なのだとも言われた。 そんな僕の指は、最近はことさら薄く敏感なようだ。原因は運動不足。なにしろ自転車のハンドルを握ること、ジャムの瓶を開けること以外に、指に力を入れる機会がない。キーボードをいくら叩いても、指の皮は厚くならない。 そして今、僕の指は傷だらけ、そして熱を持って腫れている。子供の頃に頭にできた「たんこぶ」の極小版が親指と人差し指にできている感じ。 日常の作業に支…
1、作品の概要 小川洋子、8作目の中編。 1994年10月に刊行された。 表題の『薬指の標本』と『六角形の小部屋』の2編の中編が収録されている。 『薬指の標本』は2005年にフランスで映画化された。 2、あらすじ 『薬指の標本』 工場でサイダーを作る仕事をしていた「わたし」は、左手の薬指の先を機械に挟まれて失ってしまい、標本室で働くようになった。そこは様々な品物が持ち込まれて瓶詰めの標本にされる不思議な場所だった。 「わたし」は標本室の主の弟子丸氏に靴をプレゼントをされて、恋人のような奇妙な関係になっていくが・・・。 『六角形の小部屋』 スポーツクラブで偶然出会ったミドリさんのあとを追いかけて…
こんばんは。小川洋子さんの「薬指の標本」を読みました。 薬指の標本(新潮文庫) 作者:小川洋子 新潮社 Amazon ブックオフの棚を眺めていたら、ふと目に入った一冊。結構昔に読んだ覚えはあるけど、内容はなにひとつ覚えてなかった。 当時付き合ってた彼女が好きだと言ってた本で、その時はビジネス書とか自己啓発本ばっか読んでたから、読み終えてもたいした話もできなかった覚えがある。今ならもう少しなんか言えたんじゃないかと、若干の申し訳なさも感じた。素敵な彼女だったな。 内容は約100Pほどの短編が二つ。どちらも「心身の無くなったもの」についての話に感じた。 体の一部を失えば心のバランスを崩すし、心の一…
9月3日、日曜、晴れ。小川洋子さんの『薬指の標本』を読み終える。不気味で綺麗な小説。面白い。薬指の標本(新潮文庫)この夏は小川洋子作品を読んできた。抜群にうまい小説家。午後からは雨が降るという予報は見事に外れた。店長が体を壊して休んでいたラーメン屋でランチした。茅ケ崎のシェーキーズが閉店していた。40年やっていた店がなくなると寂しいものがある。仕方がない。ヤクルトスワローズは対阪神@神宮。ミス連発で1-7の大敗。初回がすべて。ライトサンタナの拙守と三塁村上のエラーこれがなければ無得点で立ち上がれたはず。ただただ弱すぎ。悲しみを振り払うためにミッションインポッシブルローグネイションを観た。ソロモ…
// 小川洋子の短編集「薬指の標本」と「海」を読んでいた。 2冊のどちらもいくつかの話に(「薬指の標本」表題作では特に印象に残る存在として)『サイダー』『ソーダ』など炭酸水が登場し、これがなんともいえず、作者の書くものの色に合っているのではないかと思わずにいられなかった。 炭酸飲料は性質からして官能的な気がする。 こう表現すると、いたずらに性的な感覚を強調しているかのように響いてしまい煩わしいけれど、複数ある辞書上の意味での「感覚器官の働き」の方を想定している……と思ってほしい。 サイダー類の液体がたとえば、あの大小の泡で上唇や口内、舌の先や表面、歯茎、喉をぷつぷつ刺激する感覚や、栓を開けた瞬…
掌に眠る舞台 著:小川洋子 大好きな小川洋子さんの本を久々に。 装丁も美しくて、読む前からワクワクしてしまった。 一番好きだったのは装丁のモチーフにもなっている「指紋のついた羽」。 バレエの「ラ・シルフィード」がテーマで、俗世と想像の世界の間を彷徨うような作品だった。 登場人物の小学生がシルフィードにあてて書く手紙が本当に素敵。 こんな幻想的な文章を書く小学生なんて居ないのだけども。 ストラヴィンスキーの「春の祭典」をテーマにした「いけにえを運ぶ犬」も好み。 昔を回想しながら描かれる「春の祭典」の音楽の描写が、まるでここに音楽が流れているようだった。 「春の祭典」はどうしてもバレエありきで聞い…
// 月曜日に記事公開。その後、1日ずつ順次追加されます 週間日記・2023 9/4㈪~9/10㈰ 9/4㈪「深夜集会」 9/5㈫「第三世代」 9/6㈬「欲望について」 9/7㈭「サイダー」 9/8㈮「換羽」 9/9㈯「頭のスポンジ」 9/10㈰「ドクニンジン」 9/4㈪「深夜集会」 昨日の夜に新潟県の糸魚川から帰ってきていた。そして、今朝は会社の人からの親切な電話で起こされた。驚いた。でもこれが本当に幸運なことで、さもなくば起きて出勤することが不可能だったために(恐ろしい)感謝するより他にない。 ふと駅へ向かう路線バスの座席から外に視線を向けていたら、コンビニの駐車場と近隣のマンションを隔て…
アチ-。何も書く気がしませんが、それはそれで文章を書く習慣をなくしてしまいそうなのでもうひたすら好きなものと簡単にその理由を挙げていこうとおもう。 なんかそのくらいしか無理。アチ-からね。 ・好きな食べ物 食べ物というか、素材が好きだ。主にバジルと紫蘇。トマトとコーンも好き。 香りのするものと果肉を感じる野菜の「え?美味しいのに野菜枠でいいの?」というやつがいいのだ。 ・好きな酒や飲み物 アルコール味を感じるものはさほど好きではないが酔ってハイになる時のかんじが好きなのでそれなりに飲んだりする。「ハァ?」と思われるので空気を読んで注文しないがウイスキーの烏龍茶割が好きです。ウイスキーのギュ-…
基本的に疲れているか疲れる前かの2択みたいな生活をしています。今は少し落ち着いていて、疲れるためのアップみたいな状態です。少しは読書をする余裕も出てきました。こういうちょっと前まで戦場にいました、みたいなメンタルのときには断食後のおかゆみたいに徐々に娯楽に体を慣らす必要があります。娯楽に時間を割けなかったあといきなり大作ゲームとか始めると一気に時間が消えていきますからね。私はこういった慣らし時期に、既に精神と肉体が超元気な時は更にリラックスするために石動あゆまさんのコーセルテルの竜術士を読みます。 コーセルテルの竜術士: 1 (ZERO-SUMコミックス) 作者:石動 あゆま 一迅社 Amaz…
小川洋子さんの本 ずっと昔に読んだのが「博士の愛した数式」で、以降、ずっと読まず。 この冬に「約束された移動」「小箱」と2冊読んだ。 今回読んだのは「薬指の標本」。 薄めの文庫本に二つの小説が入っているから、「薬指の標本」も午後の1時間で読んでしまった。 小川洋子さんの本を読まずに半生を送ってしまったのは、残念なことだった、ということがわかった(笑うよね、大袈裟だ)。 たくさん書いておられるから、これからも時々は読んでいきたいと思った。 立て続けに読むということは、多分、しない・・・ 心がひっそりとしていて、ちょっと一人ぽっちの時かなんかに?読めばいい、という感じかな、私には。 すっごく普通の…
記録 本 小川洋子『薬指の標本』 美しい文章だったけど、標本技術士って確定申告してんのかなとか、空の浴槽に身を横たえたらタイルが冷たくてつらそうだなとか、余計なほうに思考が逸れてしまって申し訳なくなった。最近お金のことばっかり考えてるからこうなる。 2作目、主人公が元婚約者を憎む理由がないのに憎んでしまう状況が、いつか自分にも訪れたらどうしようと思ってずっと怖かった。この作品でいう六角形の語り小部屋で告解するという行為は、私にとっては文章を書くことで代替できるのだろうけれど、それもなんだか味気ない気がする。 読みながらずっと自分の品性が貧しすぎて悲しかった。情緒を失くしちゃったのかもしれない。…
日記だと埋もれそうなので個別記事に分けておく。やりたいことがいっぱいあって、欲望があるというのはわりに元気な証拠だと思うので好ましいことだけど、見失いたくない。 3月 読みたい ・小川哲『地図と拳』・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』・小川洋子『薬指の標本』→読了・佐野洋子『食べちゃいたい』 観たい ・薄桜鬼・薄桜鬼 碧血録・TRIGUN STAMPEDE・REVENGER・ガリレオ★CV・駆けはやぶさ ひと大和 ゲーム ・薄桜鬼(ゲーム)山南篇 ほか ・資格① 過去問題集 1周・資格② 科目1・2受講・創作プロット 来月以降 読みたい ・梨木香歩『家守綺譚』『村田エフェンディ滞土…
☆小川洋子の略歴☆ 1962年生まれで現在60歳の小川洋子。 1988年に『揚羽蝶が壊れる時』で海燕新人文学賞を受賞し、1989年に『完璧な病室』で初の単行本を刊行してデビュー。 以来、芥川賞、本屋大賞、谷崎潤一賞など著名な賞を多数受賞しています。 短編、中編、長編などの小説を35冊刊行していて、日本を代表する作家の一人と言えるでしょう。 共著、随筆、対談集を含めると刊行数はもっと多くなりますね。 2020年に『密やかな結晶』で海外で評価されてブッカー賞の最終候補に選ばれるなど、海外でも高い評価を受けている作家でもあります。 ☆小川洋子作品の魅力☆ まだ小川洋子作品の3分の1ぐらいしか読めてな…