熊本県上益城郡山都町の五郎ヶ滝川(緑川上流)に架けられた水路橋である。
通潤橋の中央上部両側には沈殿物を除くための放水路が設置されており、これを利用して水の使用が少ない時期に、時間を区切って大規模な放水を行うことで有名。
1854年、水源から離れた地区へ水を通すために架けられた橋で、アーチ型の木枠を作った上に石を置き、水路を設置して橋が完成したところで木枠を外す工法により建造された。
この橋は二つの地区を水路で結んでいるが、橋の位置は二つの地区よりも低い位置にあるため、水を通す時には逆サイフォンの原理を利用している状態になる。
その単一アーチ式水路石橋という特異な構造と物理的原理が見事に成り立っていることから、貴重さが認められ1960年に重要文化財の指定を受けた。
石橋で建造されたのは、阿蘇山が近くにあるため、原料となる石が大量に存在していたからであるが、高さ20m・長さ75mもあり、全国的にも珍しい。また通潤橋の近辺には他にも規模の大きな石橋が多数架けられている。
なお、あくまで水路のための橋であり、人が常時渡るように造られてはいない。
(wikipediaより)