封切り三日目。 席数235の【SCREEN7】の入りは四割ほど。 「武士は相身互い」と言う。「同じ立場の者は、互いに思いやりをもって助け合うべき」との意だが、この「同じ立場」がいやらしい方便。 上の者にはおもねるし、下の者には居丈高になる。 それを如実に現わしたのが本作。 平民と一部の武士を除くほとんどの登場人物がいけ好かないのだ。 『白石和彌』の監督としては十五作目。 そのうち時代劇は〔碁盤斬り(2024年)〕に次いで二本目。 ハートウォーミングさが前面に出た前作に比べ、今回は殺伐さが目立つ。 もっとも過去の暴力的な描写は健在で、それゆえの「PG12」なのだろう。 戦の場面が多いので、身体は…