錦江湾を渡る途中、海の向こうにやけに目立つ色が見えた。霧がかった桜島を背に、すっと横切っていくピンク色のフェリーである。 ああ、あれか。話には聞いていた。垂水フェリーに、やたら南国めいたピンク色の新しい船が就航した、というあの噂の船。 けれど、まだ乗ったことはない。 こちらは旧型、向こうはピンク 今この写真を撮っている私自身は、別のフェリーの甲板に立っている。こちらは旧型船。白と緑、いかにも「働く船」といった落ち着いた色合いで、長年この湾を行き来してきた顔をしている。 それに比べて、向こうのピンクはどうだろう。種子島のリゾートホテルにありそうな色。公共交通機関とは思えないほど、あっけらかんとし…