近頃風邪の経過が緩慢になってきた。小学生の子どもと比較すると天地ほどの差がある。当たり前といえば当たり前だが「老いる」とはこういうことかとようやく実感がわいてきた。 熱でも咳でもスパッと出ない。だから経過も遅い。遅いというのは比較論になるが、換言すれば緩慢なのである。 整体の基礎的な見方をいうと、体にある程度弾力があって体力もあれば同じ風邪でもさっと熱が出る。それは水が高きから低きに流れるように自然である。若ければなおこの傾向は顕著だ。 しかし年寄りには年寄りの理屈があって、他と比べなければ体の働きは全てが中庸なのだ。 急激な変動に全身がついてゆかないので、いろいろな症状もゆるゆると出てくる。…