夏が来ると、心が川へ向かう 鮎を焼く、夏を味わう 変わらない風景、続いてほしい風習 四万十鮎 夏が来ると、心が川へ向かう 毎年、夏が近づくと心がそわそわし始める。暑さを嘆く前に、あの楽しみが待っているからだ。四万十川での鮎釣り――わが家にとっては、季節の風物詩のようなものだ。 朝早く、まだ空気がひんやりとしている時間に家を出る。川辺まで歩いていくと、鳥の声と川の音だけが響く。山々に囲まれた四万十川の中流域、ここで暮らしていると、自然がすぐそばにあるのが当たり前になる。でも、毎年この時期になると、川の透明さや流れの優しさに、改めて感動してしまう。 釣り竿を手にして川に立つと、全身が自然の一部にな…