2025年6月下旬、ソフトバンクグループの株主総会で、孫正義さんは語った。 「17歳のとき、マイクロコンピューターの写真を見て涙が止まらなかった」 1975年、彼はその写真を切り抜いて下敷きに挟み、ベッドの下に入れて眠り、いつも持ち歩いていたという。それから50年。彼は「今もやっていることは、あの時と同じことなんです」と語る。 その言葉に、私は強く胸を打たれた。演出でもポーズでもない、本当に根っこから湧き上がっている情熱。50年間、夢を軸に歩き続けた人のまなざしには、どこか澄んだ少年のような静けさがあった。 「指先に乗るコンピューター」に見た未来 会場の巨大スクリーンには、指先に乗るほどの小さ…