イラク情報とはなにか

 なんとなくこの問題にお付き合いして私が分かったことがある。情報の流れについてだ。日本のソースは基本的にゴミだ。というか、現地と称する情報は旅日記か噂程度。あるいは、日本政府側のコントロール下。これとも関連するのだが、アルジャジーラががんがん反米情報を出している。これには当然真理も含まれるのだが、反米なり反ブッシュのジャーナリストがこれにほいほい食いつく。しかも、中東問題の識者たちもの同じだ。そして、もう一つは、米政府側の情報だ。日本のジャーナリズムは米政府側の情報に過剰に警戒を持つせいか、きちんと読んでいないようだ。が、私が見る限り、このソースはかなり正確な情報を含んでいる。例えば、ファルージャ状況について、結局のところ、マクロ的にというか、構造的に捕らえているのは、Washington Postなどだ。
 別の言い方をすれば、アルジャジーラ系のニュースこそ実はもっとも警戒しなくてはいけないソースでもある。
 こう言えば、批判されるのだろうが、大筋をきちんと抑えないと陰謀論や迷走した議論になる。

Iraq south oil export network secure - ministry

 サドルの狙いはここだろう。

 The revolt, led by Sh'ite cleric Moqtada al-Sadr, erupted last week in central and southern Iraq, and raised concern that the rebels could sabotage the oil production and export network.
 Iraq's Shi'ite region south of Baghdad is the source of most of the country's 1.9 million barrels per day of exports, flowing mainly through two offshore Gulf terminals.

日垣隆の言うイラクで起きている三つの大転換

1 シーア派市民の決起
2 シーア派スンニ派の奇跡(歴史)的な連携
3 米軍は1週間で700人のファルージャ市民を火炎放射器で焼き殺した

 1は誇張。2は誤認識。3はある意味そうなのだが「市民」という点では若干米側に留保してもいいかもしれない。
 また、日垣は、人質事件に狂言説を採らず(表向き)。
 そゆこと。

サマワで再びデモ行進=「オランダ軍必要ない」−サドル師の写真掲げ、学生ら

これはたいしたことはなさそうだ。
サマワで初の反自衛隊デモ サドル派3百人、撤退要求

サマワシーア派聖職者マード・アルワイリ師は13日、自衛隊を「占領軍」と区別し、保護を呼び掛けるファトワ(宗教令)を出しており、サドル派がこれに反発した可能性がある。

 つまり、事態は逆なのだ。サドルが浮き出しているのだ。

尖閣諸島、「領土」として登記=台湾

台北14日時事】14日付の台湾紙・中国時報などは、北東部の宜蘭県当局がこのほど、尖閣諸島(中国名・釣魚島)を「中華民国」の「領土」として登記したと伝えた。

だから、虚像の「中華民国」を倒すことは日本の国益でもある。

ヨルダン首相、日本に債務免除要請

【アンマン=金沢浩明】ヨルダン政府が13日、日本に対し債務免除を要請したことが明らかになった。ファエズ首相がアンマンに滞在中の逢沢一郎外務副大臣に申し入れた。同副大臣は免除は難しいと伝えたものの、イラクでの日本人人質事件では隣国のヨルダンに日本は解放へ向けた全面的な協力を依頼しているだけに、今後対応の検討を迫られる可能性もありそうだ。

 しかたないよな。お布施みたいなもの。

<イラク日本人人質>「殺さぬ」と犯人約束 自称仲介役

 マザハル氏は「2日前に日本人人質と会った。話はしなかったが、一般の民家で普通の生活を送っている。手錠などもしていないしきちんと食べている。シャワーも浴び、健康のチェックも受けている」と語った。

板門店共同警備区域の米兵撤収へ=10月までに−韓国側と合意

韓国国防省の当局者は13日、軍事境界線上にある板門店の共同警備区域(JSA)で警備に当たってきた米兵士約110人を、今年10月末までに撤収させることで米韓両国が合意したことを明らかにした。

 日本にも重要なニュースなんですけどね。

アルジャジーラは「うそつき」 米軍が非難

 バグダッド(CNN) イラク占領が混迷を深める中、米軍がカタールの衛星テレビ局アルジャジーラなどアラビア語放送へのいら立ちを強めている。13日にはイラク駐留米軍幹部がアルジャジーラに出演し、記者をうそつき呼ばわりした。
 アルジャジーラは、イラク戦争開戦時からイラク国民の被害を手厚く伝えるなど、米国主導のイラク占領に対して批判的な報道姿勢を鮮明にしている。

 これは私は米側の気持ちはわかる。戦略というより、気持ちっていう感じだ。

ブッシュ大統領の発言詳報

一、パウエル国務長官ラムズフェルド国防長官とともに多くの北大西洋条約機構NATO)加盟国がイラクでのより公式なNATOの関与を模索している。

 NATOがいつどのように動くか。

<イラク情勢>在沖海兵隊1600人もファルージャへ投入

 両大隊からは11日にも4人の死者が出た。作戦開始した5日以降の犠牲者は、第5連隊第1大隊が8人、第4連隊第3大隊が3人。このほか重傷者も多数いるもようだ。
 沖縄からイラクに派兵された海兵隊員は計3000人とされる。

 死者が多いとも言えるが、現代史の感覚からすれば、これはどいう戦争なんだという気がする。米国っていうのは、すごいんじゃないか。

「普天間移設、再検討を」/キャンベル元副次官補 辺野古計画を批判

同氏は、名護市辺野古沖への移設計画は「時間がかかり過ぎる」と批判、柔軟な立場で移設計画を再検討すべきだとの考えを示した。米大統領選挙で民主党候補が勝利し自身が政権入りした場合、「既存の米軍施設に統合することを考えた方がよい」と述べた。

 よっしゃ! 私に米大統領選挙権はないが、ケリー陣営に回る!

キャンベル氏の発言は十数年以上はかかる辺野古沖移設までの過程で、民間地周辺で事故が起きた際に失われる日米同盟の利益を恐れる立場から警告を発したものだ。

愉快な田中宇的世界

この項目については、コメントも参照のこと
米イラク統治の崩壊

 だが、英ガーディアンによると、家宅捜索を受けた人々の多くはゲリラ攻撃とは関係ない一般市民で、捜索を受けた市民の証言によると、米軍兵士は捜索に入った多くの家庭から現金や宝石類などを持ち去った。こうした不当行為は、米軍に対する市民の反感を強める結果となった。

元になったガーディアンの記事は以下。
Driven by national pride

"Even if there was some resistance among people here, what have we done? Our women and girls are not part of it," said Tha'ir Turki, as he showed the chaos the marines left after sleeping in his house. Cupboards were ransacked, a computer had gone, and empty brown bags which once contained army rations littered every room. He was particularly upset at finding them in his teenage sisters' bedroom. Little jewellery boxes were scattered across the dresser, their lids off. Women's clothes had been pulled out of drawers.

 こういうの国際ジャーナリストっつうわけ?
 もひとつ。

殺された4人は、ひと目で米占領軍の関係者と分かる白い4輪駆動車に乗り、重武装していた。そのため、殺害事件を誘発するために、米軍がわざと4人を犠牲にしたのではないかという見方が、アメリカの大手マスコミの記事にも出ている。(関連記事その1、その2)

 関連の1はこれ。
Seeing Iraq through the globalization lens

For example, many here see last week's carnage of Americans in Fallujah as suspicious. To send foreign contractors into Fallujah in late-model SUVs with armed escorts - down a traffic-clogged street on which they'd be literal sitting ducks - can be interpreted as a deliberate US instigation of violence to be used as a pretext for "punishment" by the US military.

 大手マスコミってクリスチャン・サイエンスモニター。ま、そう言ってもいい。そして、これは確かに陰謀論の示唆に読めないことはないが、どっちかというと本論ではないのは、For exampleの段落だしね。
 関連の2はこれなんだが、対応はわからん。田中宇の話と関係ないと思う。単に警備が手薄というだけ。
Analysis: Mogadishu revisited?

 この話題は、Washington Postをひいて極東ブログファルージャの状況について」にも書いたが、単に兵力のマネジメントの問題でしょう。
 なんか、重箱つつきだし、なんか、やっかみみたいだけど、田中宇のお作文は私は信用しませんよ。

「蜂集団」対策その後

日曜日に「蜂の集団」に襲われたことは既報の通りですが、対策としてコメントを特定グループのIPからは書き込めなくしてあります。かなり広い範囲のいIPレインジが「バン」となっていますので、普通の人にもご迷惑をおかけしているかも知れません。

 散人先生を非難しているわけではないがと前置き、少しからくりがわかってきたようですね。普通の人とそうでない人をIPで分けることはできないんですよ。また、IPのマスキングはプロキシを変えればどうとでも抜けられます。
 じゃ、どうするか? 答えは、技術的にはいまんとこないような気がします。用語にフィルタをかけるという愚策もありますが、通常のBlogシステムには搭載されていないし(Perlシステムが多いから実装はそれほど難しくはない。が、負荷は増える)。

部族長が解放派遣団 武装組織と交渉

バグダッド小倉孝保イラクの部族長を集めた最大組織「イラク全国部族協会」(1万6000人)に加盟する中部ファルージャの部族長らが13日、日本人人質事件解決のため協会内に「日本人解放のための派遣団」を結成し、同日午後(日本時間同日夜)からファルージャ武装組織側と本格的な解放交渉に入った。米軍からの非公式な依頼を受けているという。ファルージャは部族社会の色濃く残る地域だけに、部族長が交渉に本腰を入れた意味は大きい。

 なんだそれ。アラブ商法臭い感じもするが。それより、これはなんだ?

 日ごろから連絡をとっている米軍筋から同協会に対し数日前、口頭で日本人人質事件解決のために尽力できないか依頼があったが、日本政府からの接触はないという。

イタリア人4人を拉致 軍の撤退を要求

グループは映像の中で声明を読み上げ、(1)ベルルスコーニ首相がイスラム教を侮辱した発言を謝罪する(2)イタリア軍イラクからの撤退を保証し、そのスケジュールを明らかにする(3)モスク(イスラム礼拝所)の聖職者で拘束されている者を釈放する−−ことを求めた。条件を受け入れる場合は、解放の交渉者を指定するとしている。殺害の可能性や受け入れ期限には触れていない。

 ふーんというのもなんだが、少しバージョンアップしたのか。

「口外したら殺す」運転手、報復恐れ潜伏…邦人人質

 「悲しい出来事。怒りを感じる」。その運転手は、読売新聞の取材に応じた2人の仕事仲間に、人質の身を案じる気持ちを何度も繰り返していたという。

 情報だって金になる。アラブ商法か。いずれ、ヨルダンは出国はしたのだろう。