ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Being between Neuroscience and Marketing このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

☆ 本ブログのこれまでの記事一覧はココ(タイトル別に検索できます)

2017-03-19

今日、何人かの中学生たちに送った言葉

f:id:kaz_ataka:20160904062626j:image

Leica M7, 1.4/50 Summilux, RDPIII


本日午後、とある奨学財団の率いる長野の中学生の皆さん、約15人と約3時間語り合った。


はじめに僕の年齢を聞いて、彼らの親とさして変わらないので、ほとんどの彼らが驚いていた。どうも10才は若く見られたようだ。人は好きなこと、自分が意味があると思うことを追求していれば歳をとらないんだと伝えることから始まった。笑


頂いた質問表を踏まえ「これからの未来をどう考えどう生きていくか?」をテーマに、簡単な自己紹介、なんでこんな人生になったのかから始まり、頂いたお題に応えるべく、1時間あまりやり取りをしつつお話しをした。その後さらに幅広くこってり質問に答えたり、ディスカッションした。


大人相手の講演は割としょっちゅうしているが、これらの未来を担う世代と話すのは、僕としてはなかなかめずらしい機会なので、伝えたこと*1をここに残しておこうと思う。(ちなみに、来た中学生のどの一人も僕のことを事前に知っている人はいなかったことを付け加えておく。笑)


---


  1. みなさんが生きているのは本当に確変モードの面白い時代、、、技術革新の重なり合い、Exponentialな変化がいたるところで起きている
  2. 単なる大量生産の時代は終わり、ワクワクをカタチにすることが富を生み出す時代になった、、、あらゆる分野のアップデートを掲げ、形にすることで、モノをただ作っても決して生まれない規模の巨大な富が生まれる
  3. おそらく今ある大きな会社の1/3以上は20年後には消えているか全く違う形になる
  4. ここからは素直にただ話を聞いて走ればいい時代(既存のルールでのサバイバル)とはかなり異なるモード(ジャングルを切り開きサバイバルするようなスキル)が必要になる、、、お父さんやお母さんの世代にとっての成功像をそのまま目指すとダメな人になる可能性が高い。時代の空気を吸った自分たちの感性をある程度以上に信じる必要がある
  5. 誰もが目指す姿というより、なるべく普通にいない人間を目指さないと価値がなくなってしまう、、、とても詳しいか得意なもの(であまり多くの人が目指さないもの)をいくつか身につける
  6. 自分がなんでも出来るすごい人になるよりも、どんな話題でもそれぞれ自分が頼れるすごい人を知っている方がはるかに大切
  7. いままでのリベラルアーツ母国語、世界語、問題解決能力)に加え、データの持つ力を解き放つ力(データリテラシー)が必須になる、、、リベラルアーツの本来の(ギリシアローマ時代からの)意味は使われる側と使う側を切り分けるもの。自律的に生きる市民としての条件として考える
  8. データやAIの力を解き放ったあと、最終的には人間は感じる力、決める力、伝える力こそが必要になる
  9. 英語や中国語を学ぶことは必須、、、日本の人口が減ることは当面止まらず、世界を相手に生きていくしかない。リーダー層であればなおさら。人間の脳は言葉を理解できるように出来ているので心配する必要はない。どんな人もやれば出来る
  10. 現在の日本の教育だけをやっているとみなさんは持つべき武器を持たず戦場に出てしまう可能性が高い。自衛の必要がある、、、コミュニケーションエンジニアリング、データリテラシー。これらは専門を問わず世界の高等教育の標準になりつつある
  11. 言語やデータリテラシーは読み書き算盤のたぐいの問題であり、単なるサバイバルスキルとして考えるべき
  12. 技術革新が世の中をこれ程変えている時代局面において、科学や技術、ベースになっている数学に対する理解は重要、、、ベクトルなどの数学、分子レベルの物理現象などの理解がある程度ないといま起こっている技術進展の多くは理解できない。これらが産業を革新するのだから嫌悪感、恐怖感だけは持たないようにする
  13. 理数系が苦手とか嫌い、そういうクラスや、受験科目を取りたくないからという理由で文系を選ぶのは避ける、、、理文なる概念は日本特有のものであり、日本では文系(理数不要)と考えられているような分野であろうと世界では数学や情報科学は酷使され、分野間の壁は低い。それが理由だとその分野でも世界を目指せなくなる*2
  14. 理数系が苦手だと思っている人は、自分たちが全世界の人でかなり上の方だということをよくわかったほうがいい、、、日本の中学生の数学の平均値は世界的に見れば極めて高い。自信を持つべき
  15. とはいうもののリベラルアーツ(基礎リテラシー)を身に着けた上では、自分が面白くて熱狂できることを追求すべき、、、何であれ食べていくためには一人前、一流の人を目指すべきだが、圧倒的に頑張れないことでそうなることは難しい
  16. 読み書き算盤的なリベラルアーツ(基礎リテラシー)以外の専門性は、ICTそのもののど真ん中というより、境界領域にこそ重要性が激増する、、、マーケティング医療社会問題など普通の生活課題を新たな技術をつかって刷新するところに産業が生まれる
  17. 今の段階で「仕事」であり「世の中に出るとは何か」についてそれなりの考えを持つべき、、、この50年ぐらいを除く、15万年間の現生人類(ホモ・サピエンス)史のほぼ全ての期間において人は15歳になったら世の中に出てきた
  18. 努力することやお金をもらうことが「仕事」の本質ではなく、世の中(なるべく質量が大きいもの)の勢いを変え、変化させることが「仕事」の本質、、、ただ頑張ったとかということには何の価値もない
  19. スキルとは変化を引き起こすための能力、、、よく思われるような専門スキルというより、もっとベースの基礎スキルやリーダーシップのほうが大切
  20. 極限的な意思決定はそれほど起こらない、、、それよりもちゃんと現実を直視し、分析した上で判断すれば、ほとんどの意思決定はバクチを打つことなく終了する。感覚で判断することなく、とにかくまず現実をしっかり見つめてフラットに判断しよう
  21. 日本が豊かさを保とうとするならば、我々は(カメラや、時計、クルマ、電機、石油化学、鉄などで行ったように)再度世界をとる、世界規模で何かを良くする必要がある
  22. 日本はあと数十年、人口縮小、人口調整局面が続くが、日本から世界をとるもの、世界を刷新するものやサービスが生まれないという話は全く別、、、十分生み出しうる
  23. ある事業が成長するかどうかは選んだ市場で7割が決まる、、、どれほどリーダー、戦略、実行力が優れていても流れにだけは逆行してはいけない。どこで商売するのかを決めるのが最も大切な判断。人生もまた同じ
  24. 日本や他の先進国の人口はおそらくいまの2/3か半分ぐらいに減ることになる。また環境問題はおそらく続く、、、この結果色々しばらくいろんな事が起きるが、それらはすべてある種のチャンスとして捉えるべき。氷河期時代も含め、人類は何度となく絶滅の危機に瀕してきたが全て乗り越えてきた
  25. 技術的な方向性はザックリ分かっても、未来を予測することは不可能(初期値が同じでも多様な可能性がありすぎる)というのが科学的な結論、、、未来は目指すものであり創るもの
  26. 評論家とかシニアな人や(君らから見ると)なんでも知ってそうな人がどう思うかとかはどうでも良いし愚問である、、、自分がどう思うかのほうが遥かに大切
  27. このような変革の時代で革新を起こすのは常に若者、、、それは10代、20代、30代前半までの人が中心。皆さんのチャンスの窓はいつまでも開いているわけではない。学校はいつでも戻ってこれる。何かやるべきものが見つかったらすぐにやるべき
  28. じゃまなおじさん、周りのグダグダ言う人とか、みなさんを変だ呼ばわりする人のことを一切、気にすべきではない、、、ただし仲間は必要。一人だけでは大きなことは生み出せない
  29. むしろ変でワイルドで未来に向けて希望を持っている人と極力付き合うべき、、、悲観論もエネルギーも伝染する
  30. 世の中だとか周りの人を一斉に変えようなんてことは一切思うべきでない、、、維新はわずか数十人の人間によって起きた。勝っていれば、そしてそれが正しければ勝手に人はついてくる
  31. 未来は変えうるし、実際、社会は皆さんが思っているよりも遥かに激しく変わってきた、、、ある種のティッピングポイントを超えれば一気に変わる
  32. 昔から殆どの人は頭なんて使っておらず、スマホで子供が馬鹿になったというのは単なるデマである、、、そんなことより自分でモノを考えられる人になろう
  33. ダーウィンが言ったとおり、最も強い種ではなく最も変化に対応できる種が生き残る、、、一番いいのは新しい変化を自ら引き起こすこと。振り回されるより振り回す側のほうが面白いに決まっている
  34. 世の中にはどうでも良い質問と意味のある質問がある、、、自分が考えるべきことを人に聞く質問や、他の人はどう思っているんだろう系の質問、それが分かっても何にもならない質問ではなく、それを聞かないと前に進まない質問、本質的に変化のある質問をしよう
  35. なによりも君らこそが我々の未来である。ガンガン仕掛けよう!

---


といった内容を力強く話しました。


最後に、生まれて初めてサインのリクエスト攻めにあい、集合写真をとって解散しました。


多少なりとも意味があったのであればいいなと思う。

*1:3時間のインタラクティブセッションなのでこれでもほんのダイジェストです。また、内容がこれだけ広範なのは、半分以上が彼らのコメントや質問、疑問に答える形で話した内容だからです。

*2:そうでなくちゃんと数学や科学を避けず、素養として学んだ上で選ぶならもちろんかまわない。ちなみに理工系の大卒が2割強しかいないのは日本の国としての大きなハンデになっている。一歩日本を出れば、理文を分けずに大学に入り、大学に入ってから経済なり物理、哲学心理学などの専攻を選ぶのが世界の標準。アメリカでは医学法律など実学学部卒業後にさらに別途学校(professional schools)に行って学ぶもの

2017-03-07

シゴトの未来

f:id:kaz_ataka:20160904062159j:image

Leica M7, 1.4/50 Summilux, RDPIII @Shelburne museum, VT, USA


さすがに人生の半分ぐらいまできたと思われるkaz_atakaです。


表題のテーマでもうこの3年ぐらい食傷するぐらいの数のインタビューや取材を受けてきました。正直、僕の周りでは完全にdone issue(ケリが付いた話)なのですが、今キャズムを超えたと思われる一般メディアから急に色んな話が来るようになっています。


以下は、これでこの話題についてはもう打ち止めにしようと思って受けたリクルートワークス研究所のインタビュー記事です。これほどシゴトというものに正面から向かい合った議論をした記憶があまりないのと、限定版的な冊子で送られてきたこと、ウェブに上がっていないことを踏まえ、ここに手持ち原稿から転記して上げておこうと思います。ウェブ掲載が始まったら下ろす可能性があります。FYI(太字は筆者)


---


Q1. 人工知能の進化などにより、仕事がなくなるといわれています。どうご覧になっていますか。


A1. 仕事はなくならないですよ。


データやAIの力を活用して、いろいろな業務自動化されることは幅広く大量に起きますが、それと仕事がまるごと消えることとが混同されています。「あらゆる仕事でデータやAIの持つ力を使わない人と解き放つ人に二極化する」、これが本当のところ起きることです。むしろ自動走行車の利活用やメンテナンスのように、更に新しい仕事が数多く生まれる可能性が高い。AIが仕事を奪うと思っている人はAIとは単にイデアにすぎないこと、どのように作られるのか、その結果起きること、そして我々の仕事の本質をちゃんと理解したほうが良いです。


この変化の第一フェーズ段階にある現在では、データやAIの力を解き放つための能力を持つ人が大きく不足しています。また、目指す人はどこから手を付けたらいいのかわからないのが日本の現状です。ここに一石を投じようと、データサイエンス協会を何人かで立ち上げ、これまで必要なスキルを整理し、発表してきました。


この変化は、多くの方の想定よりも早く進展し、指数関数的に起こります。1900年ニューヨークで撮られた写真には多くの馬車が写っていますが、1913年にはほぼすべて自動車に置き換わっています。1908年にT型フォードが発明されてからわずか5年の間に実際に一気に変わったのです。よく馬車に乗っていた人はどうなったんだという話がありますが、簡単です。クルマに乗ったんです。(笑)そして、人間はそれに対応できてしまうのです。社会は人間が対応できるように変わるので心配はいりません。*1


全体観をいえば、仕事がなくなるのではなく、データやAIの力を使う人と使わない人に二極分化する、それは予想以上のスピードで進むが、人間はそれに対応できる、そういうことです。


---


Q2. 想定以上の速さで変化する世界において、我々はどのように仕事をすればよいのでしょうか。


A2. 仕事というのは楽しいものです。世の中を変えること、役に立つことそのものですから。しかもお金をもらえる。人間が生み出した最大の「虚構」は仕事です。普通に生きていれば、少しは仕事したい、つまり世の中で意味のある存在でありたい、と思うでしょうし、仕事の喜びは残り続けると思います。それを追求する中で、データやAIを使い倒すべきです。


仕事の価値を労働時間で測る習慣は是正されるでしょう。肉体労働まで含めても投下時間と生み出す変化量、バリューが合致しない仕事がすでに大半だからです。ここで言っている仕事のバリューとはむかし物理で習った「力×距離」そのものです。力は「質量×加速度」。つまりどれだけ重いものをどれだけ勢い良く変化させたかです。どれだけ頑張ったかではありません。もちろんその場にいること自体が価値がある仕事は時間ベースの仕事として残りますが、経済原理でみて意味をなさないものは淘汰される、それだけです。


AI×データのように技術的な革新による変化は自然とそうなるし、そこでビジネスをするならば、それに合わせざるを得ないのです。変化するかどうかはイシューではないのです。変化は必然なのですから。本当のイシューは、その変化をどうやったら早く起こせるのか、だと思いますね。


Work Model 2030を、2030年の完成形ととらえ、現在起こっていることから推定しようとするのはほとんど無意味です。変化を楽しむ中で、この世の中がどういうフェーズで変わっていくのか、それをどれくらいのスピードで起こせるのかを考えるべきです。


大きな果実をつかもうと思うなら、その変化に先駆けて動き、イノベーションを起こさないといけません。しかし、現行の日本の仕組みは、基本的にホワイトリスト方式です。出てくるものをリスト化して、それぞれに法律で対応する。これでは新しいものは生まれません。前例がないからイノベーションなのですから。(笑)新しいものはルールのないところから生まれてくる。たとえば、検索です。つい最近まで法律的にはかなりグレーな存在でした。


グレーゾーンを突破する力は、ユーザーにあります。ユーザーが価値を見出せば、社会は勝手に変わるのです。社会は適応するように作られた虚構の塊です。現実の前にはルールは変わるのです。例えば、いまそこにゴジラが現れたら我々は対応するじゃないですか。必要に応じてどんどん変わっていくのです。検索の価値は誰にも止められないくらい強くなった。著作権等の問題は山のようにありますが、すべての人が検索に依存するようになったとき、この問題を議論することの価値がなくなったのです。そうやって世の中は変わります。


---


Q3. その変化を起こすにはどうすればよいでしょうか。誰が変化を牽引するのでしょうか。


A3. 新しい変革は、明治維新終戦後のときもそうですが、10代と20代、30代前半までの人が起こします。世界の歴史上革命的な変化を40以上の人が引き起こしたり、やり遂げたことはほとんどありません。


年配者のできることは、規制なども含め彼らのじゃまをせず、何か面白いことをしている若者に、信用を与えて、お金を出し、良い人を紹介する、この3つに尽きます。勝海舟みたいな仕事をしてほしいのです。維新後の開国のときや、終戦直後にはそういう人が山のようにいました。新しい変化は年配者が起こせる代物ではないのです。時代の空気を吸った人がやるしかないのです。


この社会がどうやったら生き延びられるかを考えなくてはいけません。どうやって経済を伸ばすか、社会を良くできるか。現在の日本の社会は(略)推進するエンジンを失いつつあるのです。漫然と2030年を迎えるのでは遠すぎるのです。


あらゆることを提言して、仕掛け、考えた人が実行する。こういう取り組みを激増させる必要があります。この中で自然に生き延びた人がまた未来を拓いていきます。どんどんやって、当たったものが巨大進化をするだけなのです。どれが当たるかなんて誰にもわかりません。だからいろんなトライをしたほうがいいのです。


---


Q4. テクロノジーの大きな変化に向けて、何をすべきでしょうか。また、変化を起こすときに指針となるものはありますか。


A4. 社会全体としてみれば、データの持つ力を解き放つ、これがまず第一です。そのためにはデータサイエンティスト協会でまとめているとおり、情報科学(データサイエンス)、それを実装し運用する力(データエンジニアリング)、実課題につなげて解決する力(ビジネス力)の3つが必要です。


さらに二つ、一つは、エンジニアリング層のスキルの根本的なリニューアル、具体的には、SIerエンジニアからビッグデータソリューション系エンジニアへの転換、もう一つは、ミドル層・マネジメント層のスキル刷新です。


指針、、、世の中全体の大きな課題をAIやデータの力を使いつつ自分ならではの方法で解決する、あるいは役立てるようなことを考えるのが王道だと思います。幸い現在の社会は問題には事欠きません。温暖化エネルギー不足、少子化、巨額の年金医療費、過疎、時代に即していない教育、グローバル社会の分断などなど。


仕事の選び方としては、みんな、生命の原点に戻ればいいと思います。危ないところから逃げて、自分らしく自分がユニークに生きていけるニッチ、生活空間、に行く、この繰り返し。失敗したら滅びる、それが生命の原点ですよね。経済原理ももとを辿れば、自然淘汰の世界です。


人間は生命がかかれば頑張る生き物です。そういう風にできているのです。変化に臆するのではなく、生命の力を信じるのです。人間はいざという時にはできるのです。我々は生命ですから、大丈夫です。


---


以上です。


悲観論はどうでもいいので、ぜひ未来を揺り動かしていきましょう!

Let's rock the world together!!


---


ps. ご参考までに比較的最近のものを中心に代表的な関連掲載記事(自分が受けたもの)へのリンクを載せておきますね。


“シン・ニホン” AI×データ時代における日本の再⽣と人材育成 (2017/2)

http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/013_06_00.pdf


AIで仕事はなくならない ―― なぜか過剰被害妄想の日本の本当の危機 (2017/2)

https://www.businessinsider.jp/post-827


経験値だけで飯を食べている人は 人工知能によって出番がなくなる(2017/1)

http://www.dhbr.net/articles/-/4630


ヤフーCSO安宅氏が解説する「AIの正しい理解」(2017/1)

https://industry-co-creation.com/special/8175


「人工知能はビジネスをどう変えるか」(2015/11) > 以下のDHBRの一章


AI×データはビジネスをどう変えるか (2015/10)

http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/002_06_00.pdf

*1:言うまでもありませんが、同じことをただ続けたい人、文明の恩恵を受けたくない人、たとえば電卓やコンピュータが生まれても使いたくなかったような人の仕事がなくなるのは当然です。

2017-03-04

 『第六の波』、、、大量絶滅からの回復はどの程度時間がかかるのか?

f:id:kaz_ataka:20160904061956j:image

Leica M7, 1.4/50 Summilux, RDPIII, VT, USA


皆さんお元気ですか?だんだんと春めいてきましたね。


現在、知覚と知性についてのとあるまとまった論考を書いているのですが(まとまったところでまたお知らせします)、そのからみで古いメールをひっくり返していると、まだアメリカで研究していた当時(17年前)のサイエンス・ニュースが出てきて、これはこれで面白く今もrelevantだと思うので再掲したいと思います。ブログのなかった当時、こうやってメールで友人、知人に数百名程度、発信していました。なつかしいなぁ。また何かいまでも面白いもの、価値のありそうなものを発見したら載せますね。


---


2000-03-22


春が来ました。辺りの木々が芽を出し、黄金色に輝くまであと少しです。


さて本題です。


地球上に我々や、辺りの草木の先祖である細胞核を持つ最初の生命が現れてから約六億年。その間、少なくとも五度、地球上の生命は大規模な絶滅の波に襲われてきた。 原因は依然よく分かっていないが、いずれもいわゆる天災であったことだけは間違いがない。例えば、六千万年前の恐竜の消滅は天体の衝突によるものだったというのが現在の定説である。そして今、第六の波が来ている。この波はホモ・サピエンスと呼ばれるただ一つの種が起こしている点で過去に例を見ない。


良いニュースは、地球上の生態系にはある種の自己回復能力があり、滅んだ種は二度と帰っては来ないものの、種の数 -- 多様性 -- 自体は、常に回復してきたことである。しかしながら現在、我々、ヒト、の存在のためにあらゆる種の絶滅が地球上の至る所で起こっている以上、この回復に一体どの程度の時間がかかるかは極めて重要な 問題である。


しかしながら、これまで絶滅の研究は多くされてきたものの、種の創造についての研究は殆どされておらず、この課題の検証はいわばないがしろにされてきた。尚、新しい種の創造は全滅のあとすぐに始まり、大体1~2百万年程度で回復が可能であるというのがこれまでの学説である。


このイシューにけりを付けるべく、BerkeleyのKirchnerはDukeのWeilと共に、種の絶滅率と種の生まれる率との相関を調べたところ、彼らは驚くべき、そして悲しい関係を発見した。種の創造は、絶滅のあとすぐには始まらず、絶滅を埋め合わせるピークはなんと一千万年後にならないと来ないというのだ。更に、この時間的な遅れは絶滅のスピードや規模にもよらないという。たとえ、人類が今後数百万年、生きながらえたとしても、我々の種の誰かが、今日の絶滅から多様性が回復するのを見ることは恐らくないのである。


子供の頃、あれだけ楽しんで読んだ動物、植物図鑑が、過去五十年で滅んだ動物、植物図鑑とならないことを祈らざるを得ない。


------

Nature 404, 177 - 180 (09 March 2000) Macmillan Publishers Ltd.

Delayed biological recovery from extinctions throughout the fossil record

JAMES W. KIRCHNER* AND ANNE WEIL†

 * Department of Geology and Geophysics, University of California, Berkeley, California, 94720-4767, USA

 † Department of Biological Anthropology and Anatomy, Duke University, Durham, North Carolina 27708-0383, USA

Correspondence and requests for materials should be addressed to J.W.K. (e-mail: kirchner@seismo.berkeley.edu)

How quickly does biodiversity rebound after extinctions? Palaeobiologists have examined the temporal, taxonomic and geographic patterns of recovery following individual mass extinctions in detail, but have not analysed recoveries from extinctions throughout the fossil record as a whole. Here, we measure how fast biodiversity rebounds after extinctions in general, rather than after individual mass extinctions, by calculating the cross-correlation between extinction and origination rates across the entire Phanerozoic marine fossil record. Our results show that extinction rates are not significantly correlated with contemporaneous origination rates, but instead are correlated with origination rates roughly 10 million years later. This lagged correlation persists when we remove the 'Big Five' major mass extinctions, indicating that recovery times following mass extinctions and background extinctions are similar. Our results suggest that there are intrinsic limits to how quickly global biodiversity can recover after extinction events, regardless of their magnitude. They also imply that today's anthropogenic extinctions will diminish biodiversity for millions of years to come.