きぼう

概要

日本が国際宇宙ステーション(ISS)のために開発した微小重力環境下での実験観測用モジュールのこと。

名称は一般公募によるもので、エンブレムは紙飛行機をモチーフとしたもの。最大4名が搭乗可能である。

1984年レーガン大統領が大型の宇宙ステーション建設計画を発表。参加要請を検討した日本は独自の実験モジュール建造を計画。これをJEM (Japan Experiment Module)日本実験棟と呼称した。計画参加決定後、シャトルによりJEMを打ち上げるかわりに米国に生命科学実験施設「セントリフュージ」を開発して提供することが決定した。

特徴

 特徴的なのは、与圧部と呼ばれる船内実験室、暴露部と呼ばれる外部区画、そしてそのままシャトルなどに積み込むことの出来る補給部*1の3つに分かれていることである。暴露部は取り外しが可能な船外パレットと船外実験プラットフォームに分かれる。また、暴露部での作業のためのロボットアームや暴露部からの試料を内部に入れることの出来るエアロックを備える

なお、国際宇宙ステーションの各モジュールは製造し運用する国に所属し、その法律が適用される。「きぼう」はいうなれば唯一の地球軌道上にある「日本領土」である。

現状

 シャトル「コロンビア」事故以来ISSの建造は滞っており、打ち上げは延期され続けていたがようやく2008年3月のフライトSTS-123で船内保管室、2008年5月のSTS-124で船内実験室とロボットアームが打ち上げられ、筑波宇宙センターでの運用が開始された。そして2009年7月、STS-127で残った暴露部の打ち上げが行われ、きぼうは予定した全要素の組み立てが完了した。


ただし、「きぼう」打ち上げの代償であったはずの セントリフュージはNASAISS計画見直しによって打ち上げが行われないことになり開発は中止された。

 現在、軌道運用は開始されているが、ISSの日本人滞在枠がどうなるかまだ不透明である*2。また、他国から居住モジュールとして使いたい*3、共同実験を行いたい等の打診(というか実質ただ乗りの要求)もいくつかあり、今後も課題は多い。

*1:米シャトル計画や日本版シャトル「HOPE」中止により現在では「船内保管室」と呼称し、交換はしない模様

*2:2009年に第18/19次滞在クルーとして若田光一宇宙飛行士の長期滞在が行われた。 その後も22/23次で星出飛行士、28/29次で古川飛行士が滞在することとなっている

*3:実験に対する影響を防ぐためきぼうモジュールISSの中でも静音性が特に高い