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細雪

読書

細雪

ささめゆき

ささめ・ゆき

谷崎潤一郎の小説。初出:昭和18年1月〜23年10月「中央公論」、私家版、「婦人公論

細雪」は、太平洋戦争中の昭和17年ころから執筆され、発端の一部が発表されたが、軍部の圧迫によって中断していた。しかし、谷崎はひそかに書きつづけ、終戦後に全編が完成した。この作品に登場する四人姉妹は、谷崎の三番目の妻である松子夫人の姉妹をモデルにしている。ただし、できあがった作品はモデルを離れ、完全な客観小説となっている。昭和の「源氏物語」とも評される作品である。

この作品は、人間関係の描き方がとくにすぐれているといえる。とくに事件らしい事件によって劇的な葛藤が展開されるわけではないが、いくつものエピソードをつみかさね、組み合わせていくことで、まぎれもない谷崎の美の世界が築かれている。近代日本最大のスケールを持つ小説である。(参照「読書への招待」旺文社

時は昭和十年代。大阪の旧家に育った四姉妹の姿を描く。

細雪 (中公文庫)中公文庫、1983年)

大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は、姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。

新潮文庫の裏表紙より引用

細雪 (上) (新潮文庫) 細雪 (中) (新潮文庫) 細雪 (下) (新潮文庫)新潮文庫1955年

ISBN:4041005132 ISBN:4041005140 ISBN:4041005159角川文庫版、1956年

他、講談社文庫版、旺文社文庫版がある。