わたしが働く障害者支援施設には、天使がいる。 天使は人間界に紛れ込むべく、身長150センチ程度の60歳男性の姿をしており、毛髪は乏しく痩せており、前職では警備の仕事をしていたが周りからは 「仕事ができない」と散々言われていたそうだ。 今はパートで支援員として働いている。 気の強い、どこにでもいるようなパートのお局様にどやされても、利用者がいうことを聞かなくても、天使はヘラヘラといつも笑っている。 そしてわたしと目が合うと、「大丈夫ですかぁ、続けられそうですかぁ」とまた笑う。 わたしはそれを聞くと嬉しくなるので、「なんとか、まあ、ギリギリ」と力無く笑い返事をする。 天使はお酒が大好物らしい。 「…