菅江真澄は、それほど知られている人ではない。 私の学校生活の中でも、彼の名や作品は教科書などでは扱われていなかった。 現在は、どうなのだろうか。 だから私は、二十代になって,菅江真澄の研究者である内田武志氏の新聞記事を読むまでは、その名を知らなかった。 郷里の秋田のローカル新聞の記事によると、民俗学者である内田武志氏が血友病のために病床にあって、その研究対象が菅江真澄という江戸時代の旅行家である。 江戸時代後期に、出羽国、陸奥国を旅して、さらに蝦夷地まで渡って数年滞在している。 そして、最終的に晩年の長い年数を秋田で過ごし、亡くなっている。 江戸時代という、旅行することがそれほど容易ではなかっ…