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ノロウイルス

(サイエンス)
のろういるす

広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こすウイルスのひとつ。

概要

以前は、小型球形ウイルス(SRSV)と呼ばれていたが、2003年以降、ノロウイルスと呼ばれるようになった。1968年のアメリカ合衆国のノーウォークでの胃腸炎の流行をきっかけに、1972年に発見された。
日本の感染症発生動向調査によれば、冬季の前半はノロウイルスによる胃腸炎が多く、冬季の後半はロタウイルスによる胃腸炎が多い。ノロウイルスによる集団感染は世界各地の学校や養護施設などで散発的に発生している。
2013年、武田薬品によりノロウイルスワクチンの開発が開始、数年で発売とされる*1

特徴

  • 潜伏期間は24時間〜48時間程度。
  • 発症すると下痢(激しい水様便)、吐き気、嘔吐、発熱などの症状を呈する。
  • 乳幼児は嘔吐、成人は下痢の症状が多い。
  • 感染の原因はカキなどの貝類による食中毒のほか、二次感染などがある。
  • 嘔吐物・便から二次感染を起こす。(特に飛沫(ひまつ)が空中散布されることで集団感染に至るケースが多く注意を要す。)
  • 致命的な病原ではなく、通常は3日以内で回復するが、体力の弱い幼児や老人は死亡する場合もあるので注意。(特に発症初日は症状が酷い。)
  • 60℃10分程度の加熱では病原性を失わず,逆性石鹸や消毒用アルコール、飲料水に含まれる程度の低レベルな塩素に対して抵抗性がある。
  • 次亜塩素酸ナトリウム(台所用塩素系漂白剤の主成分)による消毒、または85℃1分以上の加熱を推奨。
  • 普通の風邪と思うような軽症ですむ人もおり、栄養をつけ、安静にしていると、回復する。(後遺症もない。)
  • ノロウイルスに感染しても2〜3割の人は発症しない。
  • 幼児は痙攣を起こすことがある。

治療

  • 下痢止めは推奨されていない
    • 2007年現在、ノロウイルスに有効な抗ウイルス薬は存在しない。下痢がひどい場合には水分の損失を防ぐために輸液などを対症療法的に用いる場合がある。
    • 止瀉薬(下痢止め)の使用については、ウイルスを体内にとどめることになるので用いるべきでないと言う専門家もいる。
    • 医師の指示がなく、仕事等の生活上でも特に必要でない場合は下痢止めの服用は避けるのが賢明だという説もある。
    • 日本国厚生労働省は止瀉薬使用を望ましくないと記載しているが、ここまでに明言しているのは米国FDAとは対照的である。
  • 家庭でできること
    • スポーツドリンクを電子レンジなどで人肌に温めてから飲むことが推奨される。
    • スポーツドリンクが無い場合は0.9%の食塩水(100 mlに食塩0.9gを溶かしたもので、いわゆる生理食塩水である)を調製し、人肌に温めて飲むことが推奨される。
    • 甘味のあるスポーツドリンク等は弱った胃腸に良くないという意見もある。
    • 電解質を含まない湯冷まし、お茶などは水分の吸収が遅いので推奨できないとされている。

(Wikipediaより一部、引用)

感染予防

  • 手洗いの徹底
    • できるだけ、爪は短く切り、ウイルスの温床になりやすいネイルアートやマニキュアなどは避ける。
    • 時計や指輪などの貴金属なども外し、手首や指輪を付けていた指などは、特に念入りに洗う。
    • 手を洗う前に触れた蛇口に関しては、せっかくきれいに洗った手への再汚染を防ぐため、手洗いと一緒に洗い流す。
    • 手洗い後は、清潔なタオルで拭くようにし、共用タオルの使用は避け、集団生活の場では、ペーパータオルが有効。
  • 嘔吐物の処理方法
    • 処理する場合は、使い捨て手袋や消毒液、ペーパータオルなど用いる道具などをあらかじめ「処理セット」として用意しておき、すぐに処理する。
    • 処理時には、マスクをつけずに行うと空気感染する恐れがあるので、注意が必要。
  • 調理時の予防
    • 食材を扱う者、特に調理者が十分に手洗いし、調理器具は衛生的に保つことが重要である。
    • ノロウイルスは、逆性石けん(塩化ベンザルコニウム)、消毒用エタノールには抵抗性が強いが、手洗いによって物理的に洗い流すことは感染予防につながる。
    • ノロウイルスは60℃30分の加熱では感染性は失われず、85℃以上1分間以上の加熱によって感染性を失う。
    • 特にカキなどの食品は中心部まで充分加熱することが食中毒予防に重要。
    • 生のカキを扱った包丁やまな板、食器などを、そのまま生野菜など生食するものに用いないよう、調理器具をよく洗浄・塩素系漂白剤による消毒をすることも大事。
  • 洗浄と消毒方法
    • 順番については第1に洗浄(と充分なすすぎ)、第2に消毒である。(この順番を逆にすると効果が弱くなってしまう。)
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